公益財団法人 日本漢字能力検定協会

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今、あなたに贈りたい漢字コンテスト

家族部門 受賞作品

絆大賞

桜良へ梅花より「双」

西銘 梅花 さん
(千葉県・県立袖ケ浦特別支援学校 6年生)

私と桜良は、双子で2人とも小さく生まれてきました。私は足が不自由で物がとれなくて困っているときやリハビリでつらいとき桜良は、いつも声をかけてくれたり体をささえてくれたりします。私は、桜良がいてくれてよかったと思います。これからも仲よくおたがいにがんばっていこうね。大好きだよ。

審査員からのコメント

「梅花」と「桜良」の名前には、二つの花が多くの人に愛されているように、お互いにお互いを思いやりながら愛される子になってほしいというお父さん、お母さんの切実な願いが込められていると思いました。そして、「双」の文字を見ますと、その通りになっているような気がします。さらによく見ると、「双」は二人が並んで一緒に前に進もうとしています。足が不自由で、とても厳しい毎日かと思います。でも、これまでも二人が仲良くがんばってきたのですから、これからも明るく、希望をもって進んでほしいと心から思いました。(橋本五郎)

日本漢字能力検定協会賞

(孫)昂弥へ(祖父)勲より「農」

田桐 勲 さん
(愛知県)

あだ名は一貫して「食いしん坊主」。高校生になり家族でテレビニュースを見ていたとき、突然、「農学部へ進学して日本の食料自給率を向上させる」と言ったが、誰も信用しなかった。今年は大学一年生。農学部では、トマトを栽培しているそうだが、農業は人の命を繋ぐ神聖な仕事、祖父は「食いしん坊主」に大きな期待をしているぞ。

審査員からのコメント

75歳になるおじいさん、日本の農業の将来を心配されているところに、突然、孫が「日本の食料自給率向上のために農学部に進学して、農業を職業とする」と言い出した。どのおじいさん、おばあさんも孫は可愛い。その孫の成長に驚き、嬉しい喜びが満ちあふれている。昂弥君頑張れ!(髙坂節三)

審査員特別賞

お母さんへ颯志朗より「気」

谷内 颯志朗 さん
(神奈川県・森村学園初等部 2年生)

僕は時々気持ちがカチンコチンになる。いつも横でみているお母さんは「大丈夫大丈夫」と背中をさすってくれる。そのお母さんの顔はすごくキラキラ。お母さんも時々気持ちがぐにゃぐにゃになる。今度は僕のほうがお母さんの気持ちをさすってあげる。僕とお母さんはいつも優しい「気」をキャッチボールしているんだ。

審査員からのコメント

「気のキャッチボール」とは、なんていい表現なんでしょう。私もすっかり「気」にいってしまいました。だれもが心のなかになやみがあるものです。一生懸命生きていると、必ずなやみがついてくるものです。毎日考えなければいけないこともいっぱいあるものです。そのとき、だれかに相談でき、こちらの気持ちをわかってくれる人がいるということは、とても幸せなことですね。それにしても、「お母さんの気持ちをさすってあげる」ということはすごいですね。お母さんは、とても感謝していると思いますよ。(橋本五郎)

おにいちゃんへあさひより「止」

池上 あさひ さん
(東京都・調布市立滝坂小学校 1年生)

わたしが、4さいのころはじめておぼえたかんじです。どうろに、よくかいてあるのでおぼえました。おにいちゃんが、ていがくねんのころあぶないところでも、止まらずにすすんでしまい、おかあさんがとまりなさいと、さけんでいたのをおもいだしました。

審査員からのコメント

あさひちゃん、すごいね。4歳でもう漢字を覚えたんだ。そしてお兄ちゃんへの「止」という漢字のおくりものは、お兄ちゃんをたしなめているようにも見えて、とてもえらいと思いました。そうなんです。「止」という字は大事ですね。なにかをやっていてうまくいかなかったときには、いったん「立ち止まって」考えてみることはとても大切なことです。だれかとだれかがあらそっているときに、「止」めに入ってなかよくさせることも大事ですよね。いろんなことを積極的にやる一方で、「まてよ」と思う気持ちをいつも持っていたいですね。(橋本五郎)

家族へゆずかより「匂」

山森 柚佳 さん
(愛知県・県立緑丘商業高等学校 3年生)

毎日、家族のために休まず働く父は、汗っぽく落ちつく匂い。
パートとして働きながら家のことは何でもこなす母は、甘く優しい匂い。
深夜まで仕事をし疲れ果てて帰ってくる兄は、「汗水流して頑張ってます」ということがよくわかる匂い。外で元気よく遊びまくってる弟は、土のような汗のような匂い。
私は、どの匂いも大好きです。家に帰った時にわかる家の匂い。安心します。
いつもありがとう。

審査員からのコメント

家族を匂いで表現することなどまったく考えてもみないことでした。柚佳さんの描写は実に巧みですね。働いて体から出た汗は、「汗くさい」という表現に代表されるように、あまりよいイメージはありません。でも「汗っぽく落ちつく匂い」と言われると、一日中一生懸命働いて帰ったお父さんの姿が見えてくると同時に、お父さんに対する愛情がなければ言えない表現だと思いました。弟の「土のような汗の匂い」には、元気に遊んでいる男の子の姿が浮かんできます。「甘く優しい匂い」のお母さんは、家族全員をやさしく包んでいるような感じです。こうしてお互いが慈しみあっている山森家の雰囲気が伝わってきます。(橋本五郎)

佳作

  • 矢野 恵麻 さん
    (千葉県・八千代市立西高津小学校 3年生)
  • 古賀 君香 さん
    (東京都・豊島区立千登世橋中学校 3年生)
  • 野沢 知世 さん
    (岩手県・主婦)
  • 池田 裕美 さん
    (茨城県・主婦)
  • 芹澤 健一 さん
    (神奈川県・会社員)
  • 渡邉 梨乃 さん
    (愛知県・食品製造業)
  • 戸塚 礼恩 さん
    (千葉県・野田市立二川小学校 2年生)
  • HO TUAN ANH さん
    (岐阜県・朝日大学留学生 別科生)
  • 川畑 奈納 さん
    (岐阜県・岐阜女子高等学校 1年生)
  • 大向 太清 さん
    (岩手県・久慈市立侍浜中学校 3年生)
  • 野田 玲来 さん
    (広島県・安芸太田町立津浪小学校 1年生)
  • 早田 瑞枝 さん
    (福岡県)
  • 下村 結香 さん
    (大阪府・学校職員)
  • 中達 真緒 さん
    (大阪府・小学3年生)
  • 朝山 ひでこ さん
    (神奈川県・主婦)

夫婦・恋人部門 受賞作品

絆大賞

夫へ妻より「汗」

鈴木 華奈 さん
(秋田県・製造業事務)

工場で生温い扇風機の風を受けながら、体中汗を流し機械を動かしてミリ単位の仕事をしている。
爪の間や指紋の奥は油でいつも真っ黒。
貴方の努力の汗は私にとって幸せの汗です。

審査員からのコメント

懸命に働く旦那さまの姿が浮かびますね。油で汚れた手もそれを物語っているのでしょう。ミリ単位の作業は心身ともに集中が必要で、したたる汗を拭う間もないのかも知れません。そしてその大変さをきちんと把握し、優しいまなざしで見守っているからこそ「汗」という漢字に感謝の想いが込められ、それがひしひしと伝わってきました。ひたむきに日々のお仕事をこなしている汗は美しく輝いて見えますね。夫への愛情を、飾らない毎日の中から見つけた漢字一文字で表してくださいました。まさしく幸せの「汗」ですね。(やすみりえ)

日本漢字能力検定協会賞

妻へ旦那より「音」

池田 晋作 さん
(長崎県・会社員)

家にいると洗濯する音 炊事をする音 心地よい毎日のリズム たまに怒鳴り声 子供が叱られている
妻から発する音は欠かせないものなんです
心のエナジードリンクです

審査員からのコメント

島原に住む中年のお父さん、子供も順調に成長し、お母さんも一家を明るく切り盛りしているのでしょう。何気ない日々の行いから聞こえてくるさまざまな音、お母さんへの信頼と感謝の気持ちが「妻から発する音」として「心のエナジードリンク」と言わしめた素晴らしい家庭が彷彿としてきました。(髙坂節三)

審査員特別賞

亡妻へ夫より「話」

谷本 良裕 さん
(徳島県・教員)

よく叱られた。「人の話を聞いてない」闘病中も「会話のない夫婦でしょう」と何度も看護師さんに同意を求め、微苦笑させていた。悪かった。本当にすまなかった。今、あなたの気持ちが痛い程よく分かる。話を聞いてくれる人がいない。たわいのない話が宙に浮く。「聞いているわよ」「本当はよくしゃべるのね」あなたとの会話は終わらない。

審査員からのコメント

気持ちが通い合っていたご夫婦ですね。奥様の様々な姿や言葉がしっかりと心に残っていらっしゃるのだと感じました。私は「話」という漢字からは優しさやあたたかみもイメージします。谷本様の気持ちが、まさしく優しくあたたかく奥様へと伝わる素敵な漢字を選ばれたと思います。姿かたちは見えずとも、これまでの、そしてこれからのお二人の会話はずっと色褪せないことでしょう。(やすみりえ)

みまかるあなたへ見送る妻より「道」

鈴木 知英子 さん
(奈良県)

20年間歩いてきた別々の道が合流して、60年間同じ道を歩いて来ました。花も咲いていたし、石ころにも躓きました。それでもふたりの道は続きました。まもなく分岐点が待っています。昔々そうだったように、別々の道を歩く日が近づいています。でも大丈夫。思い出が一杯あるから、ご互い道に迷うことはありませんね。

審査員からのコメント

人生を「道」として表現なさいました。多くの人がイメージしやすく、且つ、人それぞれの道があるだけに大変興味深い一文字とも言えます。こちらは、長年にわたり夫婦として歩んだ夫への素敵なラブレターのように味わうことができる「道」。さまざまな景色をともに眺めた日々を感慨深く振り返っている想いがじんわりと沁みます。「みまかるあなたへ」となさっていますので何か運命の定めのなかに立っていらっしゃるのでしょうか。(やすみりえ)

尚へかなえより「瞬」

吉原 かなえ さん
(広島県・パート)

もうすぐ結婚式から1年が経ちます。尚には、たくさんのすてきな瞬間をもらいました。恋に落ちた瞬間、結ばれた瞬間、プロポーズの瞬間、夫婦になった瞬間。すべてが一瞬でしたが、その一瞬すべてがかけがえのないものとなっています。これからも、一瞬を大切に、一瞬に感動出来る2人でありたいと思います。これからもよろしくね!

審査員からのコメント

新婚生活を送る日々の中から「瞬」という漢字を選ばれたのですね。きっと新しいことがたくさんあった一年だったことでしょう!確かに、長い人生は一瞬一瞬の積み重ねから出来ています。うっかりするとその大切な一瞬を見逃してしまいがちですが、素敵な記念日としてたくさん増やしていきたいですね。ご結婚一周年、そして審査員特別賞の受賞、ダブルでおめでとうございます!(やすみりえ)

佳作

  • 住吉 国和 さん
    (神奈川県・会社員)
  • 小松 瑠美子 さん
    (千葉県・家事手伝い)
  • 川上 由華 さん
    (山口県・主婦)
  • 田口 響子 さん
    (神奈川県・主婦)
  • 泉 正育 さん
    (北海道・会社員)
  • 川部 美史 さん
    (岐阜県・団体職員)
  • 佐々木 涼子 さん
    (宮城県・主婦)
  • 村上 真央 さん
    (愛媛県・アルバイト)
  • 尾出 圭美 さん
    (愛知県・会社員)
  • 木村 麻由 さん
    (東京都・主婦)
  • 中山 右子 さん
    (鳥取県・主婦)
  • 辻川 定男 さん
    (福井県)
  • 井上 和美 さん
    (山口県・主婦)
  • 山村 彩夏 さん
    (山口県・会社員)
  • 津守 あゆみ さん
    (岡山県・公務員)

友人・恩人部門 受賞作品

絆大賞

恩師へ私より「骨」

山口 潤 さん
(埼玉県・会社員)

私が学生時代にアルバイトをしていたラーメン屋のマスターには、色々な「骨(=コツ)」を教わった。店じまいをするといつも、仕込みや調理の「コツ」とは違う、人生の「コツ」を語ってくれた。まもなく私は社会に出たが、このとき教わった「コツ」に、どれだけ助けられてきただろう…ぐつぐつと「骨」を煮込みスープを仕込む時とは違う顔つきのマスターが語ってくれた「コツ」は、いまとなっても大切な宝物です。

審査員からのコメント

‘祝’大賞!!おめでとうございます!!「骨」(コツ)を得る。学生時代のアルバイトで大切な宝物と出逢いましたね。大人から若者へ伝える人生の「骨」(コツ)。骨は骨格を形成する大切な「骨組」です。「屋台骨」です。人は死んだら必ず「骨」(ほね)になります。しかし「骨」(ほね)だけは無くなりません。百年、千年、万年、真実は残るんですね。「御縁」で出逢ったラーメン屋のマスターの言の葉が、「骨」身に沁みて!「骨」に刻んで!「骨」を折りながら!「骨」のある男に!育っていくんですね。「骨」(ほね)折れ損のくたびれ儲けにならぬように一つ一つ一生懸命「コツコツ」と積み重ね「気骨」のある人になって下さい。命(ゴルゴ松本)

日本漢字能力検定協会賞

親友へ遠い親友より「開」

小堀 知恵 さん
(神奈川県・会社員)

四六時中毎日一緒に居た親友。喧嘩はご愛嬌でしたが、とある時に修復不可能な大きな喧嘩をしました。そのまま時は過ぎ、1年後彼女から貸した物を返しに宅配BOXに荷物を入れたと連絡が。暗証番号も告げずに。しかし、私は彼女が昔よく暗証番号として使っていたとある数字を思い出しました。そう、私の誕生日。思った通り扉は開き、同時に後悔と反省と思い出が溢れ、私の心も開いた瞬間でした。

審査員からのコメント

「四六時中一緒に居た親友」、理由は判りませんが修復不可能な喧嘩、どうすればよいか、修復の可能性を考えながら、お互いにきっかけを作ることができなかったのでしょう。貸した物を宅配BOXに入れたことの連絡は、友人からの考え抜いた仲直りの連絡であり、暗証番号は告げられなかったけれど、貴女の誕生日を覚えていてくれたのです。宅配BOXを開くとともに貴女の心も開き、再び仲の良い友人に戻ったことでしょう。もう喧嘩はしませんね。(髙坂 節三)

審査員特別賞

小学生の頃の先生へ笹原瑠姫より「隣」

笹原 瑠姫 さん
(神奈川県・横浜市立南が丘中学校 1年生)

先生は、「君らの隣に今座っている友達には、自分より優れた所がある」と言っていました。それは、生きるうえで大切な「相手を認めること」を言っていたのだと先生が学校を離れてからわかりました。先生は退職されていると思うので先生からこの言葉を聞く生徒がいないのが残念です。
だから、これからは私がたくさんの人に伝えていきたいと思います。

審査員からのコメント

この地球上で、必要のない人とは出逢わない!!出逢えた人たちは全て必要な人たちなんです!小学生時代の先生が言っていた「君らの隣に今座っている友達には自分より優れた所がある」この言の葉が一人の少女の心に届き、時の間を経て、少女は「生きるうえで大切な相手を認めること」と気付きました。これが「他から」→「宝」です。13才の少女の「宝物」になった瞬間です。言の葉は伝え繋ぐものです。昔の人は言いました。「袖すり合うも他生の縁」前世でも後世でも出逢う「縁」です。「隣」のトトロはだ~れだ!命(ゴルゴ松本)

小川さきさんへ下田ちかより「火」

下田 千花 さん
(福岡県・麻生学園小学校 1年生)

さきさんは、火みたいに、べんきょうをしているすがたが、私には、みえます。そしてけいさんは、はやいから「がんばっているんだなー。」とおもいます。

審査員からのコメント

「7才」で知っている漢字で書けて、使える漢字には限りがあります。その中から友達の勉強する「姿」を7才のちかちゃんは「火」のように見えると言うのです。素晴らしいっ!ファンタスティック!!この世に生まれ出てまだ「7年」の子供たちは世の中を素直に純粋に見つめ、想像力豊かに捉える事が出来るんですね。その「瞳」を持ち続け、素敵な大人の女性になって、ちかちゃんのまわりを笑顔という「花」で咲き誇り、埋め尽くしてみんなを幸せにして下さい。「やれば出来る!!」命(ゴルゴ松本)

信子さんへ年下のボーイフレンドより「滴」

佐々木 幹雄 さん
(東京都・会社役員)

信子さんは27歳年上のガールフレンド。高齢者用施設で暮らしているため、連絡方法はもっぱら「紙の手紙」。互いの数を合わせると500通を超えているはず。信子さんに言わせると、私からの手紙は「紙の点滴」。下手な字でも、信子さんの心には「滴(しずく)」となって染み込んでいるという。ならばこの身を絞って、もっともっと滋養の文字を滴(したた)らせるしかない。

審査員からのコメント

世の中には、いろいろな「形」のカップルがいます。この二人は女性が年上、しかも27歳上!理由があって連絡方法は「手紙」。今の時代、誰でも簡単に携帯電話を使いこなし、電話やメールでやりとり出来る。「美しいですね」今までに500通を超えているそうです。自分の手で認める(したためる)「手紙」。一文字、一文字を自らの手で力を加え、そして「形」になる「手紙」。彼女は「紙の点滴」と表現。一滴一滴が、一文字一文字が心に沁みて元気になっている栄養満点の「手紙」。「滴(したた)り積(つ)もりて淵(ふち)となる」海も滴の集まりですね。命(ゴルゴ松本)

佳作

  • 脇本 啓子 さん
    (奈良県・主婦)
  • 金子 明日香 さん
    (福岡県・県立折尾高等学校 1年生)
  • 上本 梨瑚 さん
    (奈良県・上牧町立上牧中学校 2年生)
  • 鈴田 浩二 さん
    (神奈川県)
  • 白幡 侑 さん
    (山形県・教員)
  • 石井 花鈴 さん
    (東京都・調布市立滝坂小学校 5年生)
  • 小林 志帆 さん
    (東京都・都立世田谷総合高等学校 3年生)
  • 横山 翔太 さん
    (兵庫県・県立佐用高等学校 2年生)
  • 島津 京平 さん
    (宮城県・仙台市立長町小学校 3年生)
  • 山下 菜香 さん
    (福井県・パート)
  • 横尾 伸子 さん
    (大阪府)
  • 田邉 水香 さん
    (茨城県・常総学院中学校 1年生)
  • 藤井 玲 さん
    (大阪府・藤井寺市立藤井寺南小学校 6年生)
  • 久永 健太 さん
    (宮崎県・宮崎市立大宮中学校 1年生)
  • 中井 遥希 さん
    (兵庫県・学校法人カネディアン・アカデミィ 8年生)

自分部門 受賞作品

絆大賞

ペラエス・ソフィアへペラエス・ソフィアより「壊」

ワニータ・ソフィア・アンジェロ・ペラエス さん
(大阪府・大阪市立西中学校 1年生)

私にとって、「壊れる」ということは、天の恵みだと思います。しかし人間は、だれもが、「壊れる」ことをおそれています。それは、人間が「壊れる」ことを悪い意味でしかとってないからだと思います。でも、自分の中になにかが「壊れる」と、そのチャンスをつかって新しい自分へと生まれかわることができます。なぜなら、「壊れる」ということがなかったら、この世界には、変化や進化への道は存在しません。だから私にとって、「壊れる」ということは、天の恵みだと思っています。

審査員からのコメント

「壊」の漢字の成り立ちは、「褱」(カイ)に「土」を加えたかたちです。「褱」(カイ)とは、死者の襟元に涙を注ぎ、そのひとを懐かしむ死別の儀礼を意味し、「土」は土地を守る神を祭る神社を表します。この組み合わせから、「壊」は、何かの事情で住む土地を去るとき、そこにある神社を取り壊す儀礼を意味します。そこから「壊す」、「壊れる」の意味が派生しました。ペラエスさんは、一見“悪い”意味に思える「壊れる」という状況に「チャンス」を見出されました。これは、一文字にいくつかの意味を持つ漢字の特徴を示すものでもあります。そしてそれは、ペラエスさんが感じたように、“悪い”ことと“良い”ことの両方の意味を持っていることも少なくありません。まるで私たちが生きている世界そのもののようでもあります。今回気づかれた視点を、ぜひこれからもふだんの生活の中で大切にしてください。そんな思いを込めて、絆大賞を贈ります。(華雪)

日本漢字能力検定協会賞

自分へ大貴より「駅」

伊藤 大貴 さん
(愛知県・津島市立南小学校 6年生(読書・作文「言葉の泉」))

ぼくは駅という漢字を自分に贈りたい。理由は、電車が好きだから。ふみきり沿いからも見れるけど、駅から見る電車の方がかっこよくて、力強く見えるからだ。時々貨物列車や、めずらしい列車も見られる。だから駅と言う字が大好きだ。
ぼくは、将来、駅や電車と働きたい。

審査員からのコメント

「駅」人びとが行き来する駅、貨物が往来する駅、かっこよくて力強い電車や多くの貨物を運んでくれる貨車が見られる駅、大貴君はそれを眺めながら、多くのことを知り、かつ考えたのでしょう。駅は夢を運んでくれる大切なところです。駅や電車と働きたいという夢を大事に育んで下さい。(髙坂節三)

審査員特別賞

私へ私より「働」

廣井 直美 さん
(神奈川県・自営業)

三十年間の専業主婦に別れを告げて、五十五歳で仕事を始めた。世の中に出て行くのは恐ろしかったが、今では年代も環境も違う仕事仲間に支えられて、想像以上の喜びと充実を感じている。
それは身の丈ほどの大きさだが自分の心と体を大切に労りながら、これからも心身ともに可能な限り、年齢に負けずに「働」き続けたい。

審査員からのコメント

「働」の漢字は、その成り立ちを見ると、力(農具のかたち)を元に、農耕につくことを意味しています。廣井直美さんが選ばれた「働」とそのエピソードからは、まるで日々の仕事でなにかをこつこつと耕されているような、その漢字を選んだリアリティが強く伝わってきました。「三十年間の専業主婦に別れを告げて」仕事を始められた。それがどんなに「恐ろしかった」か。その一節を読んだとき、審査員全員が、それぞれの立場に置き換え、沈黙していました。そして「今では想像以上に喜びと充実を感じている」という一節では、よかったねという声が漏れました。「想像以上の喜びと充実を感じ」て「自分の心と体を労りながら」、「年齢に負けずに「働」き続けたい」ということばからは、ひとが働くことの意味を考えさせられ、またその意義や楽しさ、たいへんさも感じられます。廣井さんへ私たちからの応援として審査員特別賞をお贈りします。(華雪)

30歳になる自分へ29歳の自分より「切」

ジョンソン 美生 さん
(高知県・自営業)

テクノロジーの発展により以前にも増して、人と簡単に繋がっていられる様になった今だからこそ、パソコンや携帯の電源を時々切る勇気を持ちたいと思います。人と「繋がっていたい」と願うばかりに夜な夜なメールやフェイスブックやラインをチェックしたりと一番大切なはずの目の前にいてくれる人たちをも蔑ろにしがちな今の自分を、もうすぐ30歳になる自分に届けたい言葉です。本当に「繋がる」為に「切る」勇気をもちたい。持とう!

審査員からのコメント

「切」は切断した骨のかたちの「七」に「刀」を加えて、「切る」の意味になりました。ジョンソン美生さんが「切」の漢字を選ばれる中で考えられたのは、私たちが今、技術的な発展に振り回されるばかりの生活になっているのではないかということだと思いました。そしてその状況を省みたとき、「「繋がる」為に「切る」勇気をもちたい」という思いが湧いた。この一節に、他の審査員の方々からも共感が寄せられました。改めて自分の周囲を確かめ直そう、「繋がる」こと自体ではなく、その先にいる“人”の存在に思いを向けようとする姿に、「切」の漢字から派生した「切瑳」、つまり切ることで研ぎすますということばが重なります。
そうしたジョンソンさんの気づきに、審査員特別賞をお贈りします。(華雪)

母になった自分へ自分より「余」

藤井 しょう子 さん
(神奈川県・主婦)

去年子供が生まれて、初めて母になって、慌ただしい毎日を送っています。慣れない子育て、育児本のように上手く行かず、ついつい周りと比べてしまい、心の余裕がありませんでした。先日友人から素敵な言葉をもらいました。「今悩んでいる事、2、3か月後には出来るようになるから。」と心のどこかが解放されたような気がして、常に心に余裕を持とうと思い、「余」の漢字にしました。子育てで悩んでいる皆さんにも贈りたいと思いました。

審査員からのコメント

「余」の漢字の成り立ちをたどると「食物の多いこと」を表し、そこから「余る」という意味に用いられるようになりました。藤井しょう子さんは、ご友人の言葉で「心のどこかが解放され」、“心”の余裕が生まれた。だから「悩んでいる皆さんにも贈りたいと思いました」とエピソードを結ばれています。その最後の一節がとても印象的です。「余」の漢字を思い浮かべられるまで、藤井さんの心の中ではいろいろな言葉が行き来したのだろうと思います。ですが藤井さんの心には、ご友人の言葉から「余裕を持とう」という気持ちが生まれた。さらに“余る”思いは、他にも自分と同じ悩みを持つひとたちを想像することにも広がったのだろうと感じました。藤井さんの思いが伝わっていくようにと願いを込めて、審査員特別賞をお贈りします。(華雪)

佳作

  • 矢野 浩樹
    (福岡県・会社員)
  • 青沼 はる香
    (兵庫県・大阪桐蔭中学校 2年生)
  • 松崎 誠
    (静岡県・フリーランスデザイナー)
  • 大橋 天裕
    (東京都・文京区立第九中学校 2年生)
  • 髙本 涼太
    (長崎県・佐世保市立中里中学校 1年生)
  • 松本 路宇
    (大阪府・大阪市立関目東小学校 6年生)
  • 深村 駿介
    (北海道・滝川市立開西中学校 2年生)
  • 山﨑 完基
    (福島県・いわき市立草野中学校 3年生)
  • 中嶋 梨璃
    (神奈川県・駒沢女子大学 2年生)
  • 細川 永登
    (和歌山県・和歌山市立太田小学校 6年生)
  • 岩田 あかり
    (茨城県・常総学院中学校 1年生)
  • 野田 秋星
    (滋賀県・竜王町立竜王中学校 1年生)
  • 片山 実珠樹
    (大阪府・大阪市立西中学校 1年生)
  • 冨田 菊乃
    (福岡県・那珂川町立那珂川南中学校 3年生)
  • 桑内 智雅
    (愛媛県・大学3年生)

ペア応募特別賞

家族部門

和次郎(息子)へお母さんより「輝」/お母さんへ和次郎(息子)より「鏡」

西山 直美 さん
(京都府・主婦)

お母さんの宝物・・・それは、あなたです。あなたと過ごす時間が一番大切なのです。4年前、あなたは小魚と出会い、川の生き物研究に目覚めましたね。毎週のように川に出かけては、「おかあさん、あのな。今日はな、こんな発見があったんやで。」と意気揚々と報告してくれます。この時間が、お母さんは一番楽しいです。何事にも一生懸命頑張れるあなたの姿が、お母さんには輝いて見えます。そんなきらっきらに輝くあなたをお母さんは、いつでも応援していますよ。

西山 和治郎 さん
(京都府・ノートルダム学院小学校 4年生)

お母さんは、笑っている顔が一番いい。でも、ぼくは気づいたんだ。お母さんの顔はくるくる変わる。ぼくが悲しんでいるときは同じように泣きそうな顔をしているし、怒っているときは、鬼みたいな顔。ぼくたちは鏡だね。ぼくは、お母さんがいっぱい笑えるように、ぼくもいっぱい笑うよ。ときどきは怒ってしまうかもしれないけど、お母さんはぼくの鏡だから、お母さんの顔をみて、自分の顔を確認するよ。いっぱい笑おうね。笑ったお母さんが大好きだから。

審査員からのコメント

ひとつのことに打ち込めるというのは、とてもすてきなことですね。と同時に、ひとつのことに目を輝かせている我が子の姿を、かけがえのないものと思って見つめているお母さんも、私にはたまらなく魅力的に映ります。そして「鏡」。そうなんです。だれよりもだれよりも子どもたちのことを第一に考えているお母さんだからこそ、子どもたち次第で悲しくもうれしくもなるんです。「お母さんはぼくの鏡」とは実に深いところをつかんでいますね。私も、新聞で書いたり、テレビで話したりするときには、21年前に亡くなったおふくろはどう思うんだろうといつも考えていますよ。
(橋本 五郎)

おかあさんへはなより「美」/はなへおかあさんより「優」

本多 永和 さん
(埼玉県・星野学園小学校 2年生 )

ダイエットをがんばっているおかあさん、たとえせいこうしなくても、わたしはおかあさんが一ばんきれいだと思うよ。だから「美」という字をおくるよ。『羊』年のおかあさん、わたしは、おかあさんをずっと『大』切にしていくよ。

本多 幸恵 さん
(埼玉県・主婦)

おかあさんは、あなたに優しい女性になってほしくて、いつも優しい顔で、優しい声でお話しするように気をつけています。
はなちゃん、妹思いの優しい子に成長してくれてありがとう。
これからも、このままで、そして、「優美」な女性を目指して、お互いがんばっていきましょう。

審査員からのコメント

「羊」年と「大」切をあわせて「美」とは考えましたね。ダイエットに一生懸命がんばっているお母さんもいいけど、今のままだってお母さんは十分すてきだよと人にじまんしたい気持ちがよく伝わってきます。こう言われると、お母さんは泣けてきちゃうかもしれないね。そしてお母さんは、自分が優しくなれば、はなちゃんもきっと優しい子になるにちがいないと確信をもって一生懸命努力しているんですね。これぞ本当の教育だと思いました。私はこの年になってつくづく思います。優しいということは強いことだということを。(橋本 五郎)

夫婦・恋人部門

妻へダメ亭主より「謝」/旦那へ糟糠の妻より「伴」

鈴木 哲也 さん
(埼玉県・自営業)

突然に長年勤めあげた会社を辞めて、会社を作るなんて…しかも、設立から5年で、やっぱり行き詰って…ごめんな…お前だけだよ…こんな愚痴をこぼせるのは…そんなお前に、感謝の「謝」を送ります。でもね、俺まだ諦めていないよ。もう一度会社を復活させて、お前を楽にさせてあげるから…待ってろよ。

鈴木 とくえ さん
(埼玉県・主婦)

あんたには何を言っても無理…もう35年一緒にいて、よーく解っています。ここまで来たら、あんたと「伴」に、どこまでもついて行きますよ。まぁ食べるだけなら、なんとかやっていけそうですし…

審査員からのコメント

ペア賞ならではの「謝」と「伴」。もうこの文字を見るだけでお二人の雰囲気がじゅうぶん伝わってきますね。年齢を重ねても弱気にならず、むしろこれまでの経験を生かして前向きに進んでいくチャレンジ精神をこのふたつの漢字が応援してくれそうです。(やすみりえ)

妻へ夫より「麺」/夫へ妻より「楽」

野村 俊夫 さん
(東京都・自営業)

妻が病気になって、不器用な私が昼食を作るようになった。料理といっても夕飯の残りに入れたうどん、素麺、中華麺、その繰り返し。でも妻は毎日「美味しい」と食べてくれる。本当は私の方が嬉しいんだよな。

野村 千恵 さん
(東京都・主婦)

夫が作ったお昼を食べる日が来るなんて、想像もしませんでしたが、これがなかなか良いものです。毎日麺なのですが「玉子が丁度いい」「麺がみずみずしい」褒めていて、夫はすっかり工夫上手な麺上手。楽しい2人の時間で、病気したのもちょっとラッキーだったかもです。

審査員からのコメント

奥様のご病気はご快復されましたでしょうか。つらい出来事の中にも、このように明るい雰囲気、美味しそうな漢字を選ばれた点がとても目をひきました。「工夫上手、麺上手」と夫を評している「褒め上手」な妻。その素晴らしいバランスがお二人の仲の良さの秘訣なのですね!(やすみりえ)

友人・恩人部門

陸久へ輝より「吐」/輝へ陸久より「粘」

田中 輝 さん
(佐賀県・県立唐津特別支援学校 高等部2年生)

今の陸久は相談に乗ってほしいと思っている時に、言わずに溜め込んでしまうところがある。
だから見ていて、どうしたらいいのか分からなくなる。でも、誰も気にしていないから大丈夫。
思っていることをどんどん吐き出して
ジャンジャン相談して!!
いつでも相談に乗るけん!!

脇山 陸久 さん
(佐賀県・県立唐津特別支援学校 高等部2年生)

輝は諦めが早い時がある。いろんな人と話している時に「もういいや。」とあきらめないで、自分に話す時のように輝の意見を口に出して言って欲しい。自分は、Dreamの「あきらめちゃだめだよともう少しやれるよ」※という歌詞を聴いてから色んな事を諦めずに頑張れた。だから輝ももうちょっと粘って欲しい。
※ dream 「希望の光 ~奇跡を信じて~」 作詞:EXILE ATSUSHI

審査員からのコメント

二人の間には「思いやり」と「もどかしさ」が背中合わせで同居している感じがします。「16才と17才」必然な出会いで「友」になり、これからも続いていくのでしょう。「友」この漢字は、手に手を取り合う形です。仲がいい「形」の字なんです。手を繋ぎ、気を繋ぎ、心を繋ぐ、これが「絆」です。二人は人生の中でもっともっと互いを知り、助け合い、分かち合い、強力な友達になって周りを元気にする存在になってほしいですね。「親友」は「心友」「神友」。「継続は力なり!!」命(ゴルゴ松本)

※ 受賞者の都道府県、学校名、学年、職業は応募当時のものです。

※ 基本的には応募作品の原文をそのまま掲載しておりますが、一部修正を加えている箇所がございます。ご了承ください。

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