公益財団法人 日本漢字能力検定協会

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今、あなたに贈りたい漢字コンテスト

小学生部門 受賞作品

絆大賞

家族へ梨花より「福」

松本 梨花 さん
(奈良県・生駒市立あすか野小学校 5年生)

私の父と母は、働いていて、なかなか家族がそろいません。そろった時、必ず笑います。とても幸せなんです。「笑う門には福来たる」そう言うでしょ。その時、いつも福が来てるんだよ。ねっ!いつも家事や仕事をがんばっている母・父。いつも笑わせてくれる弟。ありがとう。そういうやさしい家族だからこそ、「福」という見てうれしくなる漢字を贈ります。

審査員からのコメント

「福」という漢字を贈る梨花さんの温かい家庭の様子が目に浮かびます。家族がそろうことがないと書かれていますが、そろった機会をどのように生かすかで家庭の雰囲気が決まりますね。それぞれ相手の気持ちを考えて、気持ち良くコミュニケーションを交わし、笑顔になれることはみんなの努力が実を結んだことになります。家族に感謝の気持ちがあるからこそ、「福」を招くことになるのだろうと思います。家族の絆を大切にしていることが漢字に表されていることから、絆大賞がぴったりだと思います。思いやりの心を大切にしつつ、これからも家族の一員として楽しい家庭を作る努力をしていって下さい。(池田 芳和)

日本漢字能力検定協会賞

ぱぱへちひなより「帰」

生田 千雛 さん
(静岡県・浜松市立内野小学校 1年生)

ぱぱがいつもかえりがおそいのではやくかえってきてほしいです。ぱぱはやくかえってきてねだいすきだよ。ぱぱはやくかえってきてねいっしょにおふろはいりたいよ。ぱぱはやくかえってきてねいっしょにごはんたべたいよ。

審査員からのコメント

1年生の女の子が、「ぱぱ」に呼びかけている感情が素直に表現されて、審査の立場からも身につまされた印象でした。帰りの遅い「ぱぱ」に早く帰ってきてほしいと何回も繰り返し繰り返し言っている言葉、一緒にお風呂に入りたい、一緒にご飯が食べたいという温かく、一途な気持ちが伝わってくる呼びかけに心が打たれました。「ぱぱ」も仕事を早く切り上げて早く帰ってあげて下さい。(髙坂 節三)

審査員特別賞

ひいおばあちゃんへかさいもにかより「白」

河西 桃日花 さん
(山梨県・駿台甲府小学校 1年生)

ひいおばあちゃんのかみのけは、しろいね。たくさんいきてきたからだね。しろいかみのけは、とてもすてきにみえます。これからもげんきで、みんなで白じゅのおいわいをしようね。
ながいきしてね。

審査員からのコメント

一年生なのに難しい言葉を知っているのでびっくりしましたが、家族の人がみんなで長寿をお祝いしているので使えるようになったのですね。髪の毛のきれいな白と白寿の意味を知って「白」の漢字をプレゼントすることはすばらしいですね。いつまでも「ひいおばあちゃん」を大切にして下さい。受賞おめでとうございます。(池田 芳和)

ままへゆいより「箱」

久保田 結衣 さん
(東京都・世田谷区立弦巻小学校(寺子屋D51)3年生)

箱の中にはひみつの物、たから物、ままからもらったお手紙が入っているよ。
心の中の箱には、ままにほめられた時のうれしい気持ちが入っているよ。
ほかにもね、すてきな大人になりたい
ゆめも入っているよ。

審査員からのコメント

結衣さんはすばらしい「箱」をもっていますね。ものを入れる宝物箱に、気持ちを入れる「心の箱」。どちらもみんながもっている箱だけど、そのすばらしさに気づかない人が大勢います。結衣さんがお母さんからもらったすばらしい手紙やほめられた言葉を大事にして、夢を持って大きくなりたいという心を「箱」という漢字に詰めて贈ることに感動しました。この受賞を機に、更に感性豊かな大人になって下さい。(池田 芳和)

家ぞくへももはより「声」

仲川 桃葉 さん
(新潟県・ 新潟市立江南小学校 2年生)

私は、夜、おふとんの中で目をつぶりながら聞く家ぞくの声が好きです。今日あったことを話したり、次のお休みにしたいことを話します。なぜかおもしろい話になって、みんなでわらうこともあります。ねむくてねてしまうこともあります。でも、毎日、楽しいなあと思って大好きな時間です。これからもずっと聞いていたいです。

審査員からのコメント

家族が今日一日のことを、それぞれ気楽に布団の中で話しをする。なんと自由で、ぬくもりがある「声」なんでしょう。目をつぶって聞いていると、子守歌代わりになって幸せな気持ちで眠りにつけるのでしょうね。家族への信頼、愛情を感じさせてくれる「声」を漢字に変えて家族のみんなに贈る桃葉さんの優しい気持ちが伝わってきます。この心に賞を贈ります。(池田 芳和)

佳作

  • 青木 深有 さん
    (静岡県・浜松市立内野小学校 1年生)
  • 荒木 琳太 さん
    (山梨県・駿台甲府小学校 1年生)
  • 石井 麻結 さん
    (神奈川県・相模原市立横山小学校 5年生)
  • 内田 杏瞳 さん
    (東京都・町田市立成瀬中央小学校 5年生)
  • 北村 心愛 さん
    (長野県・長野日本大学学園長野小学校 2年生)
  • 小飼 莉穂 さん
    (大阪府・大阪聖母学院小学校 6年生)
  • 佐藤 まりも さん
    (奈良県・生駒市立あすか野小学校 5年生)
  • 清水 航希 さん
    (広島県・呉市立呉中央小学校 3年生)
  • 志村 那緒 さん
    (静岡県・浜松市立内野小学校 2年生)
  • 少路 玲奈 さん
    (奈良県・近畿大学附属小学校 5年生)
  • 鶴川 大輝 さん
    (茨城県・大子町立さはら小学校 6年生)
  • 中田 茉絢 さん
    (東京都・調布市立滝坂小学校 3年生)
  • 平間 智也 さん
    (宮城県・白石市立深谷小学校 1年生)
  • 広瀬 大地 さん
    (山梨県・駿台甲府小学校 1年生)
  • 藤井 美菜 さん
    (奈良県・生駒市立あすか野小学校 5年生)
  • 堀込 ちひろ さん
    (東京都・台東区立大正小学校 3年生)
  • 松本 滉生 さん
    (富山県・高岡市立戸出東部小学校 5年生)
  • モーゼル ジュリアン 雄偉 さん
    (オーストリア・国立サンクトペーター小学校 3年生)
  • 山本 りん さん
    (福岡県・東明館小学校 1年生)
  • 吉田 研誠 さん
    (沖縄県・久米島町立久米島小学校 3年生)

中学生部門 受賞作品

絆大賞

お母さんへ慎太郎より「太」

中山 慎太郎 さん
(東京都・東京学芸大学附属小金井中学校 2年生)

太りすぎをいつも気にしているお母さん。
お母さんは「太」っていう文字に拒否反応を起こすかもしれないし、下手をすると怒っちゃうかもしれないけれど、僕は僕の名前の一文字にもなっているこの字がとっても好きなんだ。
大きくて、なんだかどっしりとした温かみを感じるこの字は、お母さんのイメージにぴったりだと思う。
だからさお母さん、無駄なダイエットはもう諦めたら? 僕は「太」いお母さんで構わないよ。

審査員からのコメント

お母さんへの日頃の感謝の思いを自分の名前から取って「太」という漢字を贈ることにより、ますます太いパイプの信頼の絆で結ばれているのを感じました。「お母さん無理をしてスマートにならなくてもいいよ」と今にも聞こえてきそうな温かい親子関係が伝わってきました。今のままのお母さんのほうが、自分のイメージとしては最高に好きなんだということを素直に表現している、まさしく絆大賞にふさわしいメッセージです。大きくて、どっしりとした温かみのある「太」という字を生涯にわたって大切にして何事にも精一杯頑張ってください。(壷内 明)

日本漢字能力検定協会賞

祖母へ希帆より「礼」

作元 希帆 さん
(福岡県・那珂川町立那珂川南中学校 3年生)

小さい頃、祖母の家によく遊びに行っていた私は、礼儀がなっておらず、よく祖母に怒られていました。「人にお礼の言わない感謝のない子や礼儀がなってない子は家にあげません。」とも言われました。「怖いおばあちゃん」だなぁと思っていましたが、今では感謝の気持ちと礼儀の大切さを実感しています。部活動や学校生活にも祖母の教えがいきています。
大切なことを教えてくれた祖母に感謝します。「ありがとう。」

審査員からのコメント

中学生、小学生に多い「おばあちゃん」への言葉、ただただ甘い「おばあちゃん」が多い中で、「怖いおばあちゃん」と思っていた希帆(きほ)さんが、中学生になって、「怖いおばあちゃん」が教えてくれた「礼儀と感謝の言葉」の大切さに気が付き、目覚めてきたこと、そしてそれに対して改めて感謝のことば「ありがとう」と言ってくれたことで、おばあちゃんもさぞ喜んでいる事でしょう。(髙坂 節三)

審査員特別賞

基信先生へ樹より「基」

佐藤 樹 さん
(北海道・札幌市立伏見中学校 3年生)

先生はいつも「強くなるには基本を身につけなさい」と言って僕に将棋を教えてくれていましたね。どれだけ強い人でも、根底には基本があるということは、今でも僕にとって人生の教訓となっています。できるのならまた先生と対局したいです。
若くして亡くなった先生、今はゆっくりお休みになって下さい。先生のお名前にもある「基」という字を僕は一生大事にします。

審査員からのコメント

将棋を通して「基本の重要性」を教えてくれた、今は亡き恩師との最高の出会い・触れ合い・学び合いを「基」という漢字で表現している素晴らしいメッセージです。さらに先生の名前にもある「基」という字を自分の生涯にわたって忘れ形見として大切にしようという決意も伝わってきました。実現できるのなら、また先生と対局して向上している姿を見せたかったですね。これからも基本を大切にして将棋の腕前を益々磨いていくことを期待しています。(壷内 明)

母へ弥怜より「送」

田口 弥怜 さん
(群馬県・伊勢崎市立殖蓮中学校 3年生)

どんなに忙しい時でも、けんかをしている時でも、母は学校へ行く私を毎日欠かさず「いってらっしゃい」の言葉と共に見送ってくれました。「送る」とは届けるということ。そして、母がいつも私に届けてくれた「いってらっしゃい」は「一日、安全に過ごせるように」という魔法の言葉。こうして、元気に過ごせるのは母のおかげです。ありがとう。
今日も私は大きな声で「ただいま」を送ります。

審査員からのコメント

学校へ行く私に、毎日「いってらっしゃい」というお母さんの見送る言葉がどんなにか自分を元気づけてくれるかを「送」という漢字で表現した心あたたまる内容のメッセージです。まさに魔法の言葉ですね。きっと先生や友だちに恵まれて充実した学校生活を送っていることと思います。また、「ただいま」と大きな声で感謝の気持ちを込めてお母さんに送る言葉も感銘をうけました。(壷内 明)

お母さんへ友唯佳より「倍」

本村 友唯佳 さん
(北海道・ 札幌市立伏見中学校 3年生)

お母さんは何でも私の倍です。私が喜んでいる時は私の倍喜び、私が泣く時は私以上に涙をながします。お母さんの笑顔は次も頑張ろうという私の決意へ変わります。お母さん、倍の笑顔で私をこれからも支えて下さい。そして、私もお母さんに倍の幸せを届けていきたいです。

審査員からのコメント

お母さんが、毎日愛情と熱意をもって自分に接してくれていることを「倍」という漢字で表し、これからもずっと倍の笑顔で支えてくださいという願いが込められた素晴らしいメッセージです。喜びや悲しみを常に「倍」の表情で接してくれて、勇気や希望を与えてくれるお母さんの姿が思い浮かびます。安心と信頼の絆で結ばれたお母さんへの感謝とこれからもよろしくと思いが込められている内容です。お母さんの励ましがあればどんな困難なことでも乗り越えられますね。(壷内 明)

佳作

  • 飯山 由結 さん
    (千葉県・市川市立大洲中学校 2年生)
  • 井戸 さわ子 さん
    (岐阜県・美濃加茂市立西中学校 3年生)
  • 井上 友季乃 さん
    (広島県・ノートルダム清心中学校 2年生)
  • 今井 葉月 さん
    (岐阜県・下呂市立萩原北中学校 1年生)
  • 今井 萌香 さん
    (岐阜県・関市立旭ケ丘中学校 2年生)
  • 織田 晴帆 さん
    (東京都・町田市立金井中学校 1年生)
  • 小野 泉海 さん
    (東京都・東京学芸大学附属小金井中学校 2年生)
  • 小野 未沙希 さん
    (宮城県・南三陸町立歌津中学校 3年生)
  • 後藤田 知里 さん
    (徳島県・徳島市立国府中学校 3年生)
  • 古西 菜穂 さん
    (福岡県・那珂川町立那珂川南中学校 3年生)
  • 小森 愛子 さん
    (東京都・田園調布雙葉中学校 1年生)
  • 坂本 大樹 さん
    (福岡県・久留米市立櫛原中学校 3年生)
  • 鈴木 怜奈 さん
    (群馬県・伊勢崎市立殖蓮中学校 3年生)
  • 髙田 崚平 さん
    (岩手県・洋野町立種市中学校 3年生)
  • 武市 真嵩 さん
    (北海道・札幌市立伏見中学校 3年生)
  • 中村 澪 さん
    (京都府・京都市立伏見中学校 2年生)
  • 兵藤 香乃 さん
    (埼玉県・桶川市立桶川東中学校 1年生)
  • 辨野 智哉 さん
    (北海道・札幌市立伏見中学校 3年生)
  • 本川 華 さん
    (静岡県・静岡県西遠女子学園 1年生)
  • 村井 亮太 さん
    (大阪府・大阪市立大池中学校 1年生)

高校生部門 受賞作品

絆大賞

中学の先生へ福島幸より「染」

福島 幸 さん
(東京都・都立大森高等学校 1年生)

若山牧水の「白鳥は・・・」という短歌が先生は好きだと言っていました。「この白鳥は空と海の青に染まれずに悲しいよな。でも染まれないけど染まらないんだぞ。カッコよくないか?」。私が周りに馴染めずにいる時、先生がかけてくれた言葉のおかげで、無理に人に合わせなくてもいいんだ。染まらないって大切だな。と、考えられるようになりました。あの時からこの言葉と短歌は私の宝物です。これからも周りに染まらないありのままの自分を大切にし、先生の様に人を言葉で助けられる人になりたいです。

審査員からのコメント

中学校の恩師に贈った「染」には、先生が優しく語ってくれた若山牧水の短歌に福島さんが勇気づけられ、自らの生き方や存在の価値を「他の誰とも違う独自性を持った存在、ありのままの私」として確認できた喜びと安堵感がよく表現されています。
青年期には「アイデンティティの確立」という特有の課題があり、誰もが「自分とは何か」「社会の中で自分らしく生きるにはどうしたらよいのか」などといった問いを通して自我を形成していきます。
贈られた先生も、福島さんがこれからも大いに悩み、葛藤を繰り返しながら成長し続けることをきっと期待していることでしょう(戸谷 賢司)

日本漢字能力検定協会賞

ママへ梨納より「強」

小島 梨納 さん
(愛知県・椙山女学園高等学校 3年生)

私が3歳の時にペルシャ絨毯の店を起業した母。外国人の父とビジネスを始めるのは一筋縄では行かなかったでしょう。創業当時、あなたの手を握り2人でチラシを配り歩いたこと、今でも鮮明に覚えています。店は今年で何とか無事に15年目を迎えましたね。今では店は私達家族の全てです。そして私は18になります。気づけば夫婦2人の夢は私の夢にもなりました。妻として母として経営者として、私と店をここまで大きく育て上げたあなた程力強い女性はきっと居ないでしょう。いつだってその強さはあなたの美しさであり、私の永遠の憧れです。

審査員からのコメント

15年の間、外国人の父と新しいビジネスを立ち上げ、地盤を築いてきた「ママ」、ペルシャ絨毯のお店というのは、貴女のお父さんはイラン人なのかも知れませんね。外国人との夫婦の協同事業は本当に大変だった事でしょう。高校生になって「今では店は私達の家族の全て」で、気が付けば「夫婦2人の夢は私の夢」になったとは、本当に幸せな家庭に育った貴女だから言える言葉でしょう。「妻として母として経営者として私と店をここまで育て上げたあなた程強い女性」その強さは「美しさであり、私の永遠の憧れです」と言い切れる梨納(りな)さんが強く逞しく成長した証拠でもあるでしょう。素晴らしい家族に乾杯。(髙坂 節三)

審査員特別賞

お母さんへ夕美より「静」

朝比奈 夕美 さん
(静岡県・県立清水西高等学校 1年生)

16年もの間、私の決めたことに口を出さなかった母。
テストの点がどれだけ悪くても怒鳴らない母。
無関心なだけだと幼い頃は思っていた。16歳になって、少し大人になって分かった。それが母の静かな愛情だって。ただ静かじゃなく、温かな、暖かな静か。そんな裏にある愛情をもてるお母さんに自分もなりたいと思う。

審査員からのコメント

朝比奈さんがお母さんに贈った「静」から、子の成長を願いつつ、目先のことに動じないお母さんの凛とした姿を想像することができます。
静という漢字を調べてみると、確固として地に足をつけ、妄(みだ)りに心動かされることなく自分自身をしっかりと見つめることのできる静寂な境地を表しているとなっています。贈られたお母さんの生き方にぴったりですね。(戸谷 賢司)

家族へみほのより「声」

田中 みほの さん
(福岡県・北九州市立高等学校 2年生)

毎日、朝の「おはよう」から夜の「おやすみ」まで、家族の声をきくと、本当に安心します。お父さんの低くて優しい声、お母さんの厳しくも愛情のこもった声、弟の私とそっくりな声・・・。みんなの声がきけるだけで、私はとても幸せ者です。
お父さんやお母さんの怒った声も、弟とけんかをした時の弟の声も、家族の声や言葉全てが私にとって大切な宝物です。私もいつか自分の声で人を安心させてあげられる、そんな人になりたいです。

審査員からのコメント

何気ない日常のなかで、特に気を止める対象になりにくい家族の「声」に注目し、家族一人ひとりに対する細やかな愛情と信頼感を表現している豊かな感受性に着目しました。
人間関係の希薄化が懸念され、地域社会や学校でも「声かけや挨拶運動」が展開されています。しかし、せめて家庭ではそんな心配がないことを願います。田中さんのメッセージから、和やかな家庭の雰囲気や密度の濃い絆が感じられ、ほのぼのとした気持ちになりました。(戸谷 賢司)

先輩へ松尾泰喜より「叶」

松尾 泰喜 さん
(福岡県・県立折尾高等学校 1年生)

体育祭の練習のときに同じ部活だった三年生の先輩が言いました。「人間は口からプラス(+)のこともマイナス(-)のことも言うから『吐』という言葉がある。でもマイナス(-)のことを言わなくなるとプラス(+)だけが残り、『叶』になる」と。心から感動しました。その日からどんなに苦しいときでもマイナスなことを口に出さず、プラスになることを言い、夢を叶えたいと思うようになりました。先輩も夢が叶うよう、プラス思考で頑張って下さい。応援しています。

審査員からのコメント

部活動の先輩から言われた「叶う」のユーモラスな語源を聞き、何事にもポジティブに取り組むことの大切さを知り、松尾君がプラス思考の生き方そのものになったことへの感謝の念が伝わってきます。また、先輩とのフランクな交流が学びの場となっていることに対しても好感が持てます。
「叶」という漢字を贈られた先輩も、松尾君に負けないよう、すばらしい生き方を見せてくれるでしょう(戸谷 賢司)

佳作

  • 赤堀 瑛奈 さん
    (東京都・田園調布雙葉高等学校 2年生)
  • 荒木 奈々子 さん
    (福岡県・北九州市立高等学校 1年生)
  • 石黒 有香 さん
    (愛知県・椙山女学園高等学校 3年生)
  • 伊藤 恵美 さん
    (群馬県・明和県央高等学校 3年生)
  • 岩永 陽菜 さん
    (福岡県・北九州市立高等学校 1年生)
  • 大庭 美紗 さん
    (静岡県・藤枝順心高等学校 1年生)
  • 金井 美久 さん
    (群馬県・明和県央高等学校 3年生)
  • 川岡 莉子 さん
    (福岡県・北九州市立高等学校 2年生)
  • 黒岩 真里奈 さん
    (兵庫県・県立武庫荘総合高等学校 2年生)
  • 志田 琴音 さん
    (静岡県・県立清水西高等学校 1年生)
  • 清水 那月 さん
    (群馬県・高崎商科大学附属高等学校 2年生)
  • 杉森 菜々花 さん
    (愛知県・菊武学園菊華高等学校 1年生)
  • 髙木 麻衣 さん
    (福岡県・福岡雙葉高等学校 1年生)
  • 戸田 恵子 さん
    (静岡県・県立御殿場高等学校 2年生)
  • 野村 華蓮 さん
    (東京都・日本音楽高等学校 2年生)
  • 端本 勇人 さん
    (宮崎県・県立妻高等学校 1年生)
  • 長谷川 由美 さん
    (群馬県・高崎商科大学附属高等学校 2年生)
  • 畠山 美咲 さん
    (宮城県・県立気仙沼西高等学校 2年生)
  • 細貝 沙矢 さん
    (静岡県・県立沼津商業高等学校 2年生)
  • 諸戸 真弓 さん
    (三重県・県立朝明高等学校 2年生)

一般部門 受賞作品

絆大賞

母へ娘より「香」

永山 希美代 さん
(東京都・主婦)

私は、あなたの香りが大好きです。土に生き、農業一筋でまっ黒に日焼けしながら、私を育ててくれた母。化粧の香りは無縁のあなたに、十代の頃の私は、恥ずかしさでつらく当たってしまった事も・・・。けれど今、とても懐かしく、時には力強く、あなたの香りを思い出すたび、勇気をもらっています。私もあなたのように心の香りを我が子に残せる母親になりたいです。

審査員からのコメント

「香」を絆大賞にすることについては審査員の間でほとんど異論がありませんでした。母の存在を「香」で表現した卓抜さに感心しただけではありません。芯から心揺さぶられました。そして私は20年前に亡くなった母を思い出し、たまらない気持ちになったのです。
子供心には、母はいつもきれいであってほしいと思うものです。私もそうでした。でも今思い出すのは、かっぽう着姿で休みなく動いている光景であり、畑で鍬を振るっている姿です。子どもたちのために髪を振り乱して働いている母が思い浮かぶのです。
「母の香」の大切さを教えていただき、心から永山さんに感謝したいと思います。そして「父の香」を自らに問うています。(橋本 五郎)

日本漢字能力検定協会賞

息子へ母より「銀」

大胡 多美子 さん
(神奈川県・主婦)

いつもニコニコと周囲にとけこむ息子に対し、もう少し積極的に、「金」をめざしてほしいな・・・とついつい欲のでる親心。そんな息子は将棋をこよなく愛し、好きな駒は「銀」だと言います。そうですよね、人と比べるのでなく、自分らしく生きてくれればと思いました。「銀将」は小駒ですが攻めの要となる重要な存在ですものね。

審査員からのコメント

親心はとかく「金」「最上位」に息子が成長することを望みます。しかし、「人と比べるのではなく、自分らしく生きてくれれば」と思うようになりました。それは、将棋の好きな自分の息子が「金」ではなく、息子の好きな「銀」に事よせて、自分らしく生きることに気付き、息子への愛情の深さを表している素晴らしい言葉だと思いました。「銀将」は小駒ですが、攻めの要となる重要な存在だとして認めることによってお母さんも成長された事でしょう。(髙坂 節三)

審査員特別賞

お母さんへ真世より「味」

新谷 真世 さん
(愛媛県・愛媛大学 4年生)

私が試験に失敗して、人生で初めての大きな挫折をした時、「一緒に泣いてあげるより、毎日おいしいご飯を作って食べさせてあげることがお母さんにできる応援だと思っているよ。」と言ってくれた日の夕食の肉じゃがの味は一生忘れないよ。いつもおいしいごはんをありがとう。これからも、夢に向かって頑張るからね。そして、お母さんの料理の味、しっかり覚えていくからね。

審査員からのコメント

人がもっとも苦しいとき、いろいろな激励の仕方があるでしょうが、おいしいご飯とはいいですね。「お腹を満たしてエネルギーを蓄え、前を向いてがんばりなさい」ということなんですね。私も肉じゃがが大好きです。新谷さんの「味」を読んで、肉じゃがを食べたくなり、家内に作ってもらいました。肉じゃがに新たな意味が加わりました。(橋本 五郎)

母(義母)へ娘(嫁)より「唯」

沼 志賀子 さん
(東京都・主婦)

認知症を患って入院中の母。
場所と時間の認識に支障をきたし、たった今のことを忘れ、私の名前も忘れている母。でも、母としての気遣い、他人への感謝の気持ちと気配り、それらは以前のままの母。物を大事にするもったいない精神も健在。唯(ただ)認知症を患っているだけである。
母は母そのまま。自分でも頭の中がどうなっていくのか不安であろう母に、お母さんはお母さんのそのままだと伝えたい。唯一無二の母に唯の漢字を贈ります。

審査員からのコメント

私は二人の娘に頼んでいることがあります。「お父さんが認知症になったとき、いじめないようにね。そのためなら、何でもするからね。」と言っているのです。でも、沼さんのように思っていただけることは、どんなに嬉しいことでしょう。お母さんがお母さんであることにいささかも変わりはないんですね。そんなお嫁さんのいるお母さんの幸せをとても羨ましく思いました。(橋本 五郎)

母へアメヤより「愛」

PATKI AMEYA さん
(埼玉県・日本語教師)

日本語を習い始めてから、母国のマラティー語と同じ発音のこのことばはすごく気に入っている。マラティー語で「あい」は「母」という意味なので今まで心の一部として育ててくれた母にこの漢字を贈りたいです。

審査員からのコメント

不思議なものです。どこの国でも、母と愛は一つなのですね。異国の地に来られて何年になるのでしょう。お国を離れているからこそ、母国を思い、お母さんを想う気持ちはいっそう募ってくるのでしょうね。きっとお母さんも、愛を込めてアメヤさんのことを思っていることでしょう。(橋本 五郎)

佳作

  • 阿部 瞳 さん
    (滋賀県・主婦)
  • 新井 由利子 さん
    (北海道・主婦)
  • 飯村 恵 さん
    (埼玉県・公務員)
  • 石川 由佳子 さん
    (北海道・教員)
  • 大島 未由希 さん
    (東京都)
  • 髙津 久仁恵 さん
    (愛媛県・会社員)
  • 武井 祐子 さん
    (埼玉県・公務員)
  • 谷本 良裕 さん
    (徳島県・教員)
  • 堤 和也 さん
    (山口県・会社員)
  • 西村 正子 さん
    (京都府)
  • 野々下 俊 さん
    (東京都・会社役員)
  • 長谷川 誠 さん
    (鳥取県・販売パート)
  • 藤井 あや乃 さん
    (愛知県・主婦)
  • 藤田 憧子 さん
    (東京都・青山学院大学 2年生)
  • 藤本 優子 さん
    (広島県・公務員)
  • 堀井 尚子 さん
    (東京都・医師)
  • 宮久保 ひとみ さん
    (奈良県・教員)
  • 山田 雅子 さん
    (福岡県・主婦)
  • 吉田 永恵子 さん
    (石川県・教員)
  • 吉田 稔 さん
    (山形県・会社員)

※ 受賞者の都道府県、学校名、学年、職業は応募当時のものです。

※ 基本的には応募作品の原文をそのまま掲載しておりますが、一部修正を加えている箇所がございます。ご了承ください。

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