公益財団法人 日本漢字能力検定協会

漢検漢字文化研究奨励賞

平成19年度(第2回)受賞者発表・講評・論文

平成19年度 漢検漢字文化研究奨励賞 受賞者

各賞受賞者(敬称略)論文タイトル
最優秀賞 該当無し
優秀賞 該当無し
佳作 西嶋 佑太郎
(にしじま ゆうたろう)
東海高等学校1年 「杁」という字について
pdf論文PDF(3.5MB)
佳作 刀田 絵美子
(とだ えみこ)
広島大学大学院教育学研究科
言語文化教育学専
国語文化教育学専修2年
平安・鎌倉時代における「発」の字体について
pdf論文PDF(14.2MB)

講 評

京都大学大学院人間・環境学研究科教授
財団法人 日本漢字能力検定協会 評議員
阿辻哲次

平成19年度漢検研究奨励賞は厳正な審査の結果、受賞者が決定した。受賞された方々に対して心よりお祝いを申しあげたい。
この事業は、(財)日本漢字能力検定協会が主催する諸事業として、わが国の歴史を通じて文化に深くかかわる漢字と日本語(国語)に関するすぐれた研究または評論・調査などを顕彰し、研究者の研鑽をたたえ、成果を世に広めるための制度としてはじまったもので、今回は第2回目にあたる。
昨年からはじまったばかりのものであり、情宣活動面における時間的制限もあってか、世間への滲透はいまだ十分な状況とはいえず、そのために今回も応募締切を延長して再告知し、その結果としてさらに力作が数点投稿された。ただ今回の論考には学術的に高度な水準に達していると認定されるものが少なく、そのために最優秀賞と優秀賞に該当するものがなかったのが遺憾である。
なお、本賞は45歳以下という若い世代の「漢字研究または漢字に関わる日本語研究」を表彰するものであるが、特筆すべきは高校生からも非常にすぐれた論考が投稿されたことである。このことは、これからの日本において漢字と日本語の研究に若い世代が積極的に貢献を果たすことを予見させ、あわせてこの論文顕彰の事業が斯界の研究の進展に際して大いに貢献するであろうことを十分に証明した。
ただ投稿された論文の中には、十分に深い内容でありながら日本語以外の言語を使用していたために論考募集要項に記載された事項に抵触するものがあったのがまことに残念である。また「漢字研究または漢字に関わる日本語研究」とある規定をはるかにこえて、広く中国の文化全体、あるいは個別のジャンルの各学問に分類されるべきもので、選考の対象から除外されたものがあった。
はじまってまだ間もないこの事業が、大学などの機関における研究者のみならず、これまで検定試験を通じて漢字を学習してきた方々のあいだに広く認知され、これまでの学習という姿勢から、さらに研究という方向へ、漢字とのつきあいが深まっていくきっかけとなることを、審査にあたったものの一人としてあらためて切望するしだいである。

佳 作 西嶋 佑太郎
『「杁」という字について』

取りあげられたテーマは比較的小さいものといえるが、論文としてよくまとめられており、論旨も明確で、オリジナリティの面でも十分に評価できる。文献調査のほか、現地調査を実施している点も評価でき、現役の高校生が著した論考として、十分に評価に値する。今回の論考は愛知県以外の範囲にはわたっていないが、より広い範囲を視野にすえれば、これからの可能性が大いに期待できる。

佳 作 刀田 絵美子
『平安・鎌倉時代における「発」の字体について』

多種の文献にわたって非常に丹念に調べられており、着実な研究姿勢に基づいた労作と認定できる。ただもう少し漢字文献についての精緻な観察と資料批判が加味されるべきと考えられる。とは言え、多くの漢字から「発」字を選んだ着眼点と、これだけ誠実に丹念に調べ続けた点は大いに評価すべきであって、今後の研究を展開するにあたって将来性が大いに嘱望される。

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