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教育委員会

ふるさとの未来を担う「人財」の育成を目指して ~教育ブランド西都の創造~/教育委員会/宮崎

学校教育課 学校教育係長 小川 太志 様

九州・沖縄 / 宮崎

[教育委員会] 西都市教育委員会

学校教育課 学校教育係長 小川 太志 様

1.市の教育方針と漢検の位置づけ

 本市は、「ふるさとを愛し、ふるさとの未来を担う人材」の育成を目指し、全市を挙げて一貫教育を推進しています。その背景には、本市が抱える「若年層の人口減少(流出)」という課題があります。教育委員会としても、この課題に正面から立ち向かい、「いかに魅力ある教育を創造できるか」ということに力を注いでいます。
 私たちが見据える魅力ある教育とは、「学校種の壁を取り払い、連続した長いスパンで一貫した指導を施すきめ細かな教育」であり、知・徳・体の調和のとれた「生きてはたらく確かな学力」の育成です。その実現に向け、平成20年度に市内すべての小中学校が教育課程特例校の認定を受け、一体型、連携型の一貫校を想定した連続性のある教育に取り組んでいます。
 具体的な取り組みとしては、異校種間の乗り入れ授業やすべての教員が参加する指導力向上研修会、小中高交流イベント等の実施、運動会・体育大会等の行事の合同開催などが挙げられます。また、豊かな教育資源(市内全域に点在する古墳群、地域に伝わる臼太鼓踊りや神楽など)を活用した郷土学習「さいと学」、小学1年生からの英語教育、そして市費を投入しての漢検・英検の実施も特色ある教育活動と言えます。本年7月には宮崎国際大学との連携協定も結んでおり、ますます西都ならではの特色ある教育の推進に拍車がかかっています。
 一貫教育の目標達成には、まだまだ解決していかなければならない課題がありますが、一貫教育に対する市民の期待は着実に高まっています。

2.漢検の取組内容

(1)漢検の実施概要とメリット
 すべての学力の基盤となるのは、「読むこと」「書くこと」「話すこと」といった、いわゆる国語力です。また、郷土学習「さいと学」では、目指す児童生徒像を「西都を語ることができる子」と位置付けており、それには知識・理解とあわせて豊かな語彙と表現力を身に付ける必要があります。
 漢検は、確かな国語力や豊かな語彙を身に付けるための手段の一つとして、平成21年度から年1回、小学4年生から中学1年生までの児童生徒を対象に実施しており、検定料の全額を市が負担しています。また、公費受検の対象ではない中学2、3年生に対しても年1回の受検機会を設け、各学校で希望者を募って実施しています。
 漢検のメリットとしては、「国語力の向上につながる」、「進学や就職等に役立つ」、「努力の証が資格として残る」などが挙げられます。言い換えれば、「努力することで、自信を持たせる」一つの手段であるとともに、その子の生涯にわたる学びの足跡になると考えています。

(2)漢字学習方法について
 児童生徒が漢字を学んでいく上で重要なことは、「日々の授業を大切にする」ということです。漢検に合格することのみを優先すれば、漢字の読み書きに特化した学習が有効かもしれません。しかし、それでは、漢字の力はついたとしても国語力が高まったとは言えません。例えば、教科書の新出語句などは「書ける」「読める」だけでなく、その意味を調べたり、自分の表現活動に生かしたりすることで真の学力となります。
 学校によっては、朝の時間等を漢字の学習に当てたり、夏休みの課題で漢字の学習に取り組ませたりしている場合もあるようです。いずれにしても、「日々の授業を大切にし、その延長線上に漢検がある」というスタンスで取り組むことが大切だと考えます。

(3)漢検導入の効果
 全国的に話題となっている児童生徒の学力の二極化は、本市にとっても大きな課題の一つです。この課題の解決に向けては、「セレクト算数」「セレクト国語」等の新教科の導入や補充学習の時間の設定等、様々な創意工夫に取り組んでいます。市費による漢検の導入もその一つと言えます。漢検そのものが抜本的な解決策とは言えませんが、児童生徒に具体的な目標を与えることは大切なことであると考えます。
 また、学校の先生方にとっても、漢検を導入してからは、「以前よりも漢字の止め・はねを意識して板書するようになった」、「漢字の意味や成り立ちについて補足しながら学習を進めるようになった」といった声を耳にします。児童生徒だけでなく、教える側の意識の向上にもつながっていることは、とても喜ばしいことだと思います。

3.今後の展望

 本年度(平成23年度)は、取り組みの更なる充実を目指し、西都市教育研究センターの学力向上班の研究とリンクさせ、漢字力を含めた国語力及び学習意欲の向上に取り組んでいます。取り組みの成果が実際に表れるにはもう少し時間が掛かるかもしれませんが、目標を持って根気強く取り組むことの大切さを実感させる上でも現在の取り組みを継続しながら、本市が目指す「ふるさとを愛し、ふるさとの未来を担う人材」の育成を更に推進していきたいと思います。


※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。

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