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団体受検 取組事例(小・中・高 等)

小学校

夏休み中の地域活動で漢検を実施。漢検受検を、目標達成に向けた勉強の仕方や社会に通用する力を身につけるきっかけにしてほしい/小学校/東京

副校長 小林 孝一郎先生

関東 / 東京

[公立] 大田区立大森第三小学校

副校長 小林 孝一郎先生


■基礎基本の定着を重視

 本校は、「基礎基本の定着」を学校経営の柱として日々の教育活動に取り組んでいます。子どもたちに基礎基本を定着させるにはさまざまな方法がありますが、何より、子どもたち一人ひとりの学力に合わせて段階的に学習させることが大切であると考えています。少し頑張れば手の届くレベルを教員が見極め、スモールステップで成功体験を積み上げさせる工程が重要なのです。子どもは分かる・できる体験を繰り返していくと少しずつ自信が生まれ、前向きな姿勢に変わっていきます。段階的に学習を積み重ねて自信をつけ、学習に向かう姿勢ができてはじめて、基礎基本が定着していくのです。


■漢検の実施経緯

 大田区では全小学校で、区独自の取り組みとして大田区漢検を実施しています。子どもたちは年2回の大田区漢検に向けて積極的に学習していますが、合格しても区内限定の評価にとどまってしまいます。一方で、漢検は社会的認知度が高い資格です。子どもたちの身近な目標として根付いている大田区漢検に加え、漢検という客観的な指標で自分の実力を測定し、認定を得る機会をもつことは、子どもたちの自信の醸成に役立つのではないかと考えました。

 導入にあたってまずは保護者にアンケートを取り、実施の要望がどの程度あるのかを確認したところ、「子どもに受けさせたい」という声が予想以上に多く、驚きました。検討を進める中で、全校児童で漢検に取り組んでいる学校の話も耳にし刺激を受けたことも、漢検導入を決める後押しになりました。


■漢検に期待したこと

 漢字学習の良いところは、自学自習が可能で、やればやるほど学習の成果が得られるところです。漢検は級設定が幅広く、子どもたち一人ひとりの実力に合った級から受検できるので、スモールステップで力をつけていくことができます。また、読み・書きだけでなくさまざまな出題分野で構成されているので、漢検に向けた学習を通じて、自分が知らない熟語に興味をもったり、新たな語彙が増えて読解力がついたりと、子どもたち一人ひとりの興味の幅が広がり、知識の繋がりが生まれていくことを期待しました。


■夏のわくわくスクールを活用し漢検を実施

 大田区では夏休み中、スクールサポート(学校支援地域本部)主催で夏のわくわくスクールを開講しています。本校では、スポーツから文化体験に至るまで、保護者や教員が子どもたちのために30以上のプログラムを用意します。その一つとして漢検受検を設定し、国語部担当教員が中心となって2019年8月に初めて漢検を実施しました。告知には協会発行のカラーパンフレット(受検案内)を全児童に配布し、希望を募りました。申込手続には取次業者(※1)が活用できたため、教員の手間が軽減され、大変良かったと感じています。子どもたちには各自が受ける級の過去問プリント(※2)を配布し、夏休み中に学習するよう促しました。問題集を購入して対策に取り組んだ家庭もあったようです。

 検定日当日には、児童だけでなく中高生の兄姉や保護者も含め60名以上が参加しました。身近な受検会場として地域の役に立てていることが嬉しかったですし、児童も卒業生も大田区漢検に慣れているため、漢検受検への心理的ハードルが低いことも実感しました。児童や保護者からは「来年も続けてほしい」「次回は上の級を目指したい」という声が聞かれました。教員からも「子どもたちに喜んでもらえたようで、やってよかった」という声が挙がり、子どもたちや教員の意識変化に手応えを感じました。実施運営は教員のみで行うことができましたが、スクールサポートの方々もお手伝いを申し出てくださり、ありがたかったです。


■今後の展望

 来年度は8月だけでなく、第3回(1・2月)も実施し、子どもたちの挑戦の機会を増やしたいと考えています。また、事前の対策講座を設けて学習支援を行い、より有益な取り組みにしていけたらと思っています。

 学習指導要領改訂という大きな変化が起きている今、より一層、教員の指導力向上が求められています。教員が変わらなければ、子どもたちも変わりません。まずは教える人、育てる人から変わっていくことが大切です。漢検導入も、学校に変化を生み出した取り組みの一つと捉えています。目標達成に向けた勉強の仕方や社会に通用する力を身につけるきっかけを、家庭や子どもたちに提示することができました。今後も変化を恐れずに、教員が成すべきこと、やるべきことを模索していきたいです。

※1 取次業者…漢検協会と代理店契約を締結した企業(教科書取次会社・教材販売会社・テスト制作会社等)を指します。漢検の申し込み・検定料の振込業務等を代行します。業務内容の詳細については学校と取次業者との打ち合わせにより決定します。(取次業者が活動できない地域もございます。詳しくは漢検協会にお問い合わせください。)

※2 過去問プリント…漢検ホームページから、漢検の過去問題をダウンロードしていただけます。


※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。

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