PTAイベントの主軸になりそうです／小学校／東京

　本校は、近隣の2つの小学校が統廃合され、平成21年度に新たに白桜小学校として開校しました。開校2年目の新設校として、「保護者が学校と一体となって子どもの育成を支えていきたい」というPTAの基本理念のもと、さまざまな新たな活動に挑戦しています。本校の保護者は全員がPTAで何らかの役割を担っており、活動も大変活発です。そして多忙な先生方にすべて任せるのではなく、PTAができることはPTAが主体となって行おうという考えから、安全教育やスポーツ教室など積極的に取り組んでいます。
　その取り組みのひとつが漢検の準会場受検です。漢検は、子どもたちが日頃学習した漢字を定着させるきっかけにもなります。さらに、家族で同じ目標に向かって一緒に頑張ることで、家族の絆が深まる体験もできます。もともと私が家族で漢検受検に挑戦し、その効果を実感していたこともあり、PTAの活動としても相応しいと考えました。小林校長先生も学年の枠を超えて漢字学習に取り組める漢検実施に大いに賛同してくださり、PTAの運営メンバーに持ちかけたところ、「初めてでうまくいくかわからないけど、とにかく１度やってみよう」ということになりました。

　校長先生の発案で、検定の1ヶ月前に勉強会も行いました。この勉強会が素晴らしかったと思います。習い事に通う児童も多いので、土日の2日間の日程を設け、都合のよい方に参加できるよう配慮しました。勉強会では、入退室は時間内自由とし、各自が自分のペースで過去問題に挑戦します。教室に常時5、6名のスタッフ（PTA会員）が控え、丸付けやトメ、ハネといった指導を行います。受検予定の保護者も数名参加され、子どもたちと机を並べて過去問題に取り組む姿がありました。自分の勉強をしながら隣の子どもたちに教えるなど、1年生から保護者までの幅広い年齢層が、同じ目標に向かって学び合う素敵な「学びの光景」でした。

　 平成22年度第2回に初めて準会場受検を行ったわけですが、初めて漢検に挑戦する児童が多数申し込みました。学校を通じて受検案内を全員に配付したことで、児童にもれなく情報が行き届き、受検してみたいと意欲をもったようです。もちろん、学校が会場となったことで気軽に受けられたことも大きな要因です。
　また、保護者が自分の子どもに受検をすすめたケースも多かったようです。保護者も、PTAが主体となって実施したことで、PTAの一員として身近に感じているようです。家庭で子どもの漢字学習をみてやることは、なかなか毎日できることではありません。漢検受検は、親子両方にとって家庭学習のよい刺激になったようです。普段は積極的に挑戦するタイプではない子が、家族に刺激されて受検を意識し、一生懸命に勉強したという話を聞きました。その子は見事合格を勝ち取り、達成感を味わったことで、「次も受けてみようかな」と言っているそうです。今回日程が合わず受検できなかった児童からも、「次はぜひ受検したいので、漢検を続けて欲しい」との要望もあがっています。また、残念ながら今回は合格に届かなかった児童にも、リベンジの機会をぜひ提供したいと思います。
　初めての準会場受検は、私たちも手探りでしたが、いざ取り組んでみるとPTAとしても「子どもたちの学習に役立てた」という満足感がありました。今回の課題は次回に改善して、より多くの児童や家族が達成感を得られる機会提供を続けていきたいと思います。

※掲載内容（所属団体、役職名等）は取材時のものです。

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