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BJTビジネス日本語能力テスト

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受験者

日本で働く外国人におけるキャリアアップの心構え

シュナイダーエレクトリックホールディングス株式会社  呂 勁毅 様

シュナイダーエレクトリックホールディングス株式会社
パワーシステムズ事業部 アカウントマネージャー /日本弁理士会 弁理士(登録番号:22830) [BJT 614点(J1+)取得]
呂 勁毅 様

■日本語との出会いと学習法

 私が台湾の大学を卒業後に入社した会社は、たまたま台湾にある日系企業でした。その後、日本本社へ出向し、初めて母語が通じない環境下で仕事をすることになります。日本人社員の方から仕事の説明を受ける機会が多く、そのときにコミュニケーションがうまくとれないと「この人には、いくら説明しても無駄だ。仕事ができない(理解能力が低い)。」というレッテルを貼られてしまうこともありました。しかし、それは仕事の能力ではなく、日本語能力の問題であることも多いのです。これまでの人生で日本語に触れる機会がなかった私は、このような環境に迫られて日本語学習を開始しました。
 日本へ出向した最初の半年間に、私の日本語力は格段に伸びたと思います。この頃私は、自宅に居るときは常にテレビをつけっ放しにしていました。内容は理解できなくても日本語のシャワーを浴び続けることで、まずは「分からないという状態」に慣れること。そして、その「分からないという状態」を恐れないようになることが大切です。それが当たり前だと受け入れられるようになれば、実際のコミュニケーションの場面でパニックに陥らずに済みます。その精神的ハードルを越えれば、コミュニケーションの最中に、自分の分かる言葉を冷静に探せるようになります。ほんの少しでも分かる言葉が出てきたら、わずかでも理解できた内容から話の全体図を構築していくしかありませんが、その地味な積み重ねが外国語学習に不可欠の過程でもあると思います。どんな外国語を学ぶにしても、初期段階においては焦らずにまずは「できないことに慣れる」状態をつくる必要があると考えています。


■BJTを受験した理由

 私は、「日本語能力試験JLPT(以下、JLPT)」を受験したことがありません。周りの多くの外国人は、JLPTのN1取得を目指していましたが、私はこの資格が仕事の役に立つ内容とは思えませんでした。転職活動の際も、面接さえしてもらえれば日本語能力があることを十分に示すことができます。ですから、資格による日本語の能力証明が特に必要だとは思わなかったのです。
 ところが、日本人社員が在籍しない某外資系企業から「日本語力レベルを判定するために、JLPTかBJTビジネス日本語能力テスト(以下、BJT)のいずれかの受験結果を提出してください」と面接の際に要望されたことがありました。そこで、私はBJTを受験することにしました。
 BJTについては、以前たまたま書店で問題集を見かけた際「実際に仕事で使える良い問題が出題されている」という第一印象から、特段の準備をせずに、既に身につけたビジネス日本語能力をありのままで試験の結果に反映できると思いました。また、CBT(Computer Based Testing)形式の実施であり、自分の好きな日程で受験できることも大変魅力的でした。JLPTのN1を取得してもビジネス上全く通用しない反面教師をたくさん見てきた一方、日本の大手企業にとってBJTのほうがビジネス日本語能力を見極める指標であると、転職エージェントからよく言われています。したがって、日本で働く外国人が日本語系の資格を取得するのであれば、BJTが最適だと私は思います。


■キャリアの考え方

 私は、台湾の大学では半導体技術を専攻していました。その後、英語力を身につけるために英国の大学院に進学し、そこでエネルギー工学を専攻しました。その後、様々な企業で火力・風力・原子力と、エネルギーに関する全ての領域を経験し、複数の日系企業も経験した上で、キャリアを積み重ねていきました。現在は、エネルギーの受配電やデジタル化によるサステナビリティの実現を生業としている当社でキャリアを積んでいるところです。
 このように、私は転職によって自らのキャリアを形成してきました。しかし、日本人の方から転職について聞いて驚いたのは、「今の会社が嫌だから転職する」というネガティブな理由が多いことです。おそらく、これは日本独特のものではないでしょうか。他の国では、スキルやキャリアを積み上げることを目的にした、ポジティブな転職が一般的だと思います。
 グローバル人材の採用によりイノベーションを図る日本企業も少なくない現状において、外国人社員がいずれ転職する前提について割り切って考えればウィンウィンになるのではないかと思います。企業にとっては、外国人社員の現時点の実力を評価して短期間の活躍を期待すればよく、長く一緒にやってくれればラッキーと思えるようになりますし、外国人社員にとっては、ジョブ型採用を通じてやりがいある仕事を経験し、次のキャリアアップに繋がるというメリットもあります。プロ野球の例を考えればわかりやすくなりますが、すべてはビジネスのためです。大谷翔平選手がもし「終身雇用」や「年功序列」に縛られたら、納得いかないファンが少なくないはずです。
 とはいえ、これはどれが正解というわけではなく、人それぞれ価値観によって選択していけば良いことだと考えています。「新しいことに挑戦し、成長しながら高収入を目指していきたい。」という価値観の人には、外資系企業はお勧めです。「組織で調和しながら、安定した収入を手に入れたい。」という価値観の人には、日本企業がお勧めだと思います。
 日本は、治安が良いうえに物価も安く、食事もおいしく、旅行などエンターテイメントの選択肢も多い国です。生活や子供の教育においては、非常に良い環境だと思っています。そんな日本で生活を楽しみながら、外資系企業で挑戦と成長というキャリア形成をしていくことが、今の私にとっては良い選択だと思っています。


■日本語学習者へのメッセージ

 私は、語学系の試験に「試験対策をして臨む」という考え方は間違っていると思っています。特段の準備をせずに、日ごろの努力の延長線で臨んでこそ、本当の実力が測定できるのではないでしょうか。
 とはいえ、日本に来て働くためには母国で一定の日本語の学習を積み、それを証明する必要もあるでしょう。そのために、試験対策で対応できるJLPTのN1取得を目指すことは正しいと思います。JLPTの役割のひとつは、「日本に来るための通過指標」にあると思います。
 一方で、既に日本で働いている外国人が、「日ごろの仕事で培った自分のビジネス日本語力を測定したい」という動機で受験するのであれば、BJTは最適な試験だと思います。前述の通り日本の大手企業もBJTをJLPTより評価している以上、外国人が日本で働き、キャリアアップをしていきたいという場合には、実践で使える日本語力を証明してくれる指標として、BJTは強い味方になると思います。

※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。

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