時流に合わせたコミュニケーション力を身につけるために／中学校／大阪

学習習慣の確立を通じて「生徒に自信をつけてもらう」

　相愛学園は仏教の教えに基づき、西本願寺が大阪本町にある津村別院（北御堂）の境内に開学した学校です。大乗仏教の経典の一節に由来する「當相敬愛（當【まさ】に相【あ】い敬愛【きょうあい】すべし）」を建学の精神としています。
　本校では学習習慣の確立を通じて「生徒に自信をつけてもらう」ことを大切にしています。
　定期テスト以外にも朝や1日の終わり、各教科の単元修了ごとに小テストを実施しています。小テストという目標に対して学習をもってクリアしていくことで、学習習慣とともに「やればできる」という自信をつけてもらうきっかけになると考えているためです。
　現在、本校では新たな図書室を構想中です。じっくりと深く本を読んで自分の時間を過ごすことを目的とした「ブラウジングルーム」、友達と本について話し合ったり紹介し合ったりすることで学びの連鎖が生まれることを目的とした「ブックカフェ」を併設し、多様な学び方に寄り添った図書室になる予定です。また、探究活動等で新しいアイデアを思いつくきっかけとなることを期待して、自然に触れて頭や心をリラックスさせる「ネイチャーフィールド」をはじめ、PC教室やディスカッションルームなど、アクティブラーニングのための設備も設けます。

芸術も言葉も自己を表現する方法の一つ。自分の中にあるものを自然に出せるようになってほしい

　大学入試では多様な選抜がありますが、「文字」や「書くこと」がメインとなる志望理由書や自己推薦書の作成に際して、SNSや動画、画像が主な情報源となる現在の中高生が苦戦している場面を多々見かけます。本校では音楽科進学コースも設けていますが、全ての生徒に「芸術も言葉も自己を表現する方法の一つ。自分の中にあるものを自然に出せるようになってほしい」と伝えています。言葉で表現をするために必要なことは、言葉や表現を多く知っていることではないかと考えます。
　自己表現の訓練の土台として言葉の引き出しを増やすため、本校では学校単位で漢検を実施し、目標級も設定しています。漢検を活用する理由にはもう一つあります。本校の入学試験では漢検の資格を取得した受験生を評価しており、これは学力の面以外でも頑張って きたことを評価したいためです。「頑張ってきたことが評価されたこと」を、入学した受験生の今後の成長のきっかけにしてほしいと思っています。

話し手・聞き手の双方に求められるコミュニケーション力を身につけてほしい

　生徒には幅広くさまざまな文献を読めるようになってほしいと願っています。それらが最終的に多様な価値観を吸収したり、知らない世界を知ったりすることにつながり、生徒自身の世界を広げていけると考えているからです。そのためには、言葉を知ることとコミュニケーション力が必要です。何かを表現する際には、必ず言葉や文字が必要ですし、きちんとした表現ができなければどんなに素晴らしい経験も相手に伝わりません。SNSという対面でなくともやり取りできるツールが世界的に普及している今、情報の受け渡しをする機会は昔よりも遥かに増えています。だからこそ、どう表現すれば目の前にいない相手に対しても適切に伝わるかを考えることが大切になっています。相手を傷つけないように適切な言葉で発信し、相手からの言葉は自分の納得できる形で受け取るという、話し手・聞き手の双方に求められるコミュニケーション力を身につけてほしいと思っています。

受験生へのメッセージ

　本校では創立以来、自分と相手の両方を大切にする「自利利他」の精神を大切にしています。だからこそ入試では可能な限り受験生の評価を広げたいと考えていますし、普段の学校生活でも共感や他者を思いやる力を何よりも大切に育てていきたいと思っています。何か一つでもチャレンジしてみたいものがあればぜひ、本校で自分を磨きながら成長していってほしい、本校でしかできないことを経験してほしいと思います。

※掲載内容（所属団体、役職名等）は取材時のものです。

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