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オリックス生命保険株式会社

オリックス生命保険株式会社  人事部 人材開発チーム マネジャー 山田 大河 様 、 教育・ツール開発部 教育開発チーム 吉本 彩花 様

自社の成長を支える能動的な学び


人事部 人材開発チーム マネジャー 山田 大河 様 、 教育・ツール開発部 教育開発チーム 吉本 彩花 様

お客さまにご満足いただける保険会社として成長し続けるために

 オリックス生命保険株式会社は、多角的金融サービス企業として知られるオリックス株式会社と、米国に本社を置くユナイテッド・オブ・オマハ生命保険株式会社との合弁会社として1991年4月に設立されました。設立から27年間、当社はこれまで多くの新しいことに挑戦してきました。例えば、現在の生命保険業界では当たり前となっている通信販売の導入や、重大疾病による入院の支払い日数を無制限にした医療保険「新CURE」の開発などです。前例にとらわれず、さまざまなことにチャレンジし続けてきたことがお客さまに支持され、個人保険の新契約件数は2013年度から5期連続で50万件を超え、保有契約件数は2018年5月末時点で400万件に到達しました。
 今後も当社がお客さまにご満足いただける保険会社として成長を続けるには、競争力のある商品の開発だけではなく、サービス品質を向上させていくことが重要です。そのために、人材の育成に力を入れて取組んでいます。

文章力は社会人として最も重要な能力

 契約件数の増加に伴い、お申込手続きや保全業務のような、文書を通じたお客さまとの非対面コミュニケーションの機会が増えています。そのため、人事部としては、社員の文章力をこれまで以上に向上させることが必要だと考えています。
 私たちが求める文章力とは、①「ロジカルシンキング」、②「日本語の表現力」の2つです。①は、仕事の基本です。テーマが不明瞭な話や根拠が伴わない説明をする人は、ロジカルシンキングができていません。そして②は、日本語を使いこなす力です。単に文法や敬語を正しく使って表現する力だけを指すのではなく、年齢や経歴・役職などが異なる相手の立場を想像し、相手に誤解なく伝わり、納得してもらえるような表現ができる力です。当社では②の力を鍛えるために、文章検を活用しています。
 相手を納得させる文章が書ける社員は、スピード感を持って仕事ができています。例えば、ささいなメールのやり取りの際も、文章力が高い社員は相手と認識のずれが生じないため、円滑に業務を進めることができます。

生産性向上に資する文章力向上のために

 文章力はすべての社員に必要な能力ですが、当社で特に文章力向上が求められるのは主任クラスです。当社では、主任になると、決裁書や稟議書の原案作成を任されることが多くなります。これらの文書は、最終的に経営層が読み、経営判断に使用される大事なものです。正しい経営判断のためには、必要な情報の提示や分かりやすい構成、誤解を与えない表現が重要になります。そこで、2017年度から、主任に昇格するための要件として文章検2級合格を課すことにしました。受検料は会社負担とし、学習のサポートツールとして『文章検公式テキスト』を配付しています。主任の1つ前のレベルに昇格した時から受検可能としていますが、対象者以外からも文章検に関する問合せを多く受けており、社員の自己研鑽にも好影響を及ぼしていると感じています。

受検者の声 ~ツール開発部門への配置転換で、文章力の重要性を痛感

-まず、これまでの業務経歴を教えてください。
(吉本様)
2014年4月に新卒で入社し、4年間代理店営業をしていました。2018年4月に現在の部署に異動し、営業ツールや代理店向けの研修資料などの作成業務を担当しています。

-代理店営業から内勤の制作部門に異動されて、どのような変化がありましたか?
(吉本様)
営業時代には直接対面してお客さまとコミュニケーションを取ることが多く、文章作成の機会がほとんどありませんでした。何かお詫びしなければならないときも出向いて直接謝罪することで誠意を伝えることができましたし、相手との関係性を踏まえて、会ってお話しすれば解決できました。ところが、内勤部門に異動して文章作成の機会が大幅に増え、自身の文章力が不足していることに気づかされました。

-現在の部署では、どのような文章力が求められるのですか?
(吉本様)
生命保険業界では、法律や規制、指針の変更があり、それらに合わせて保険の運用を変える必要があります。その際、お客さまや代理店向けに、変更内容を分かりやすく説明する力が求められます。営業時代とは異なり、直接連絡を取らない相手に対して、誤解を与えず簡潔に伝えられる文章力が必要です。
(山田様)
そもそも、生命保険会社の商品には必ず「約款」があり、この「約款」がお客さまとの契約の根幹となります。正しい文章で「約款」を作成することは、お客さまに安心を届ける生命保険会社として、当然の責務です。そのため、文章力は最も重要な能力だと考えます。

-御社では、会社をあげて文章力のさらなる向上に取組まれていますね。文章力育成の一環で「文章検」を導入されていますが、人事部から受検を告げられたときのお気持ちはいかがでしたか?
(吉本様)
異動して文章力向上の必要性を痛感していたところだったので、受検自体はちょうどよい機会だと思いました。しかし、テキストを4冊渡されたとき、少し驚いてしまいました…。
(山田様)
受検するのは2級ですが、準2級以下の能力も検定合格のために必要ですので、すべての級のテキストを配付しています。

-受検に向けて、どのように学習されたのですか?
(吉本様)
テキストを受け取ってから受検までは、約3カ月でした。文章力は暗記して身につくものではないと思ったので、少しずつ勉強を進めていきました。一番難しいのが2級なので、まずは2級のテキストでレベル感を把握し、そのあと不足している基本的な知識を埋めていくつもりで準2・3・4級と順に取組みました。テキストを受け取ったときはそれほど難しくないように感じましたが、実際に解いてみると結構間違えていてショックを受けたことを覚えています。テキストは解いて終わりではなく、一問ずつ解答と解説を確認し、どうして間違えたのかを考えるようにしました。

-コツコツと学習を進められたのですね。受検に向けて、どのように学習のモチベーションを維持しましたか?
(吉本様)
周囲からの刺激が大きかったように思います。現在の部署は「教育・ツール開発部」ということで、文章を作成することが主業務といっても過言ではありません。そのような部署に在籍しながら、まさか不合格になるわけにはいかない…というプレッシャーがありました。また、一緒に受検する社員の中に部署の先輩がいて、その先輩は資格取得に向けて全力で取組んでいたので、私も負けていられないと思いました。

-その結果、見事2級に合格されましたね。今回の受検を通じてのご感想をお聞かせください。
(吉本様)
学生時代に、文章作成についての指導を受けたことがほとんどなかったので、新鮮でした。でも実際にテキストで学習してみると、これは社会人として絶対に知っておくべき内容だなと感じました。
(山田様)
本来は、入社前に全員が身につけておくべき内容だと思います。しかし、仕事の中で実際に必要に迫られないと、なかなか真剣に文章力を身につけようとはならないのかもしれませんね。
(吉本様)
私自身、今の部署に異動したことで文章力の重要性を痛感したので、やはりそういった気持ちの変化というのも、学習のモチベーションとしては大切なのかもしれません。

学生の皆さんへ

 ビジネスの場面では、さまざまな職種や年齢・立場の方とコミュニケーションを取る機会が多くあります。コミュニケーションとは、自分の意見を一方的に伝えることではなく、相手の話をしっかりと理解した上で、相手に納得して動いてもらえるように論理的にやり取りをすることです。その際、相手の立場を想像する力や、論理的な文章読解力・作成力が非常に重要になります。これらはどんな職種でも重視される力ですので、学生のうちにしっかり身につけておくと、社会に出てから良いスタートダッシュがきれると思います。


※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。

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