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小学校

自己有用感をはぐくみ、チャレンジする子どもを育てます/小学校/東京

校長 枡 三知代 先生

関東 / 東京

[公立] 荒川区立第二峡田小学校

校長 枡 三知代 先生

若いうちに学ぶことの大切さ

 本校では、「言葉の力」の取り組みのひとつとして、古典文化に親しむ活動や読書活動に力を入れています。全校で俳句に取り組み、NHK俳句大会では今年度も3名の児童が入賞しました。百人一首の全校チャンピオン大会も行っています。本校独自に百人一首の級を定めたことにより、格段と力をつけた児童が多くいました。今年度の大会では、2年生でも6年生をやぶるなど熱戦を繰り広げました。よく「1年生でも百人一首が分かるのですか」と質問されることがあります。若い子どもたちの吸収力は驚くもので、入学して2ヶ月で百人一首もできるようになります。また、チャンピオン戦を行うことで、児童の興味・関心やチャレンジ精神を培うことができました。現代の子どもたちは自己有用感が低く、すぐに自分を否定する傾向にあります。自分に自信を持つとともに、目標に向かってチャレンジする意欲を持ってほしいと願っています。

地域一体となって学習習慣の確立を支援

 私は、基礎的・基本的な学力の定着も大切ですが、何より「学習に向かう力」を身に付けることが大切だと考えています。たとえば、自分の好きなことに熱中したり、資格試験などによって達成感を得る経験も必要です。そうしたきっかけのひとつとして、学校による「土曜スクール」と保護者による「放課後教室」が連携して、漢字検定に取り組んでいます。

 本校の「土曜スクール」には、学力向上や伝統文化に触れることをねらい、全児童が参加しています。漢字検定試験はこの「土曜スクール」で実施され、試験当日は児童みんなで漢字を学ぶ「漢字の日」としています。受検する児童はもちろん、受検しない児童も本番さながらの緊張感を持って教員が用意したプリントに取り組みます。受検しなかった児童も、「次は受けてみようかな。」と検定問題を確認するなど、受検者や試験の雰囲気に刺激されるようです。

 また、漢字検定に向けた学習は「放課後教室」で行っています。本校では、家庭学習を含む基本的な学習習慣の確立を目指しています。しかし、保護者が仕事で不在のため、放課後は1人で過ごすという児童も少なくありません。そこで、PTAなどの学習支援ボランティアによる「放課後教室」を開催し、児童が放課後を有効に活用できる環境を整えました。「放課後教室」では、習字、英語、タンブリングキッズ(体操)、香りの教室(アロマテラピー)、かるた、百人一首など、様々な体験教室や学習教室を用意しています。そして、そのひとつが漢字検定教室です。
 以前は児童を集めて勉強会を行っていましたが、より多くの児童が参加できるように自学自習の学習方法に切り替えました。漢字検定教室では、まず初めに辞書引き方法を教わります。それによって、分からないことを自分で調べられようになり、自学自習の土台が整えられます。そして一人ひとりの定着度に応じて用意されたプリントを家庭で学習します。PTAなどの丸つけボランティアの方の協力により、毎朝添削ボックスに提出された学習プリントは下校時刻までに添削され、手元に戻ってきます。そうして毎日自分の間違いを確認でき、さらに新しい問題にも挑戦することができます。この児童一人ひとりに応じた支援体制により、児童の学ぶことが楽しいという意欲も育成されています。夏休み前などは、漢字検定教室を行ってくださる方が漢字検定についてのお便りを各家庭に出し、お勧めの教材や問題集などを紹介して家庭学習を誘ってくださいます。

 また、荒川区では、小学生が3級(レベル:中学校卒業程度)に合格すると、区から表彰状をもらえる制度があります。昨年は本校の児童2名が3級に合格して表彰を受けました。この取り組みも児童にとって励みとなっています。

チャレンジする意欲が向上

 このような取り組みを通して、着実に子どもたちの力も学習に向かう意欲も伸びていることを感じます。新年に立てる「今年の目標」には、「漢字検定の合格に向けて頑張る!」と書く児童が毎年多く見られます。先日、地域にお住まいの高齢者の方と交換しているお便りの中に、2年生の児童が「この間受けた漢字検定に合格しているようにいのっているところです。」と思いをつづっていました。子どもの頃に学んだことは一生の財産となります。若いうちにどんどん良いものに触れる機会を設け、未来を拓く子どもの育成につなげたいと考えています。


学校紹介

校長:枡 三知代 児童数:244名

校舎外観 本校は、地域に愛され大切にされて、ことし創立91年目を迎えます。昨年11月の90周年記念式典では、全校で二峡ソーランを踊り、教職員全員による二峡太鼓とともに参会の皆様から絶賛をいただきました。
 「学びの二峡」をさらに深め、基礎基本の確実な定着とともに「学ぶことが楽しい」と積極的に取り組む児童を育てていきます。


※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。

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