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高校

工業高専における漢検の先駆的な取り組み

校長補佐 西岡 將美 先生

中部 / 三重

[公立] 国立鈴鹿工業高等専門学校

校長補佐 西岡 將美 先生

教育目標に即した漢検活用

 本校では「国際的に活躍できる創造性豊かなエンジニア」の育成を目指しています。世界に通用するエンジニアにとって、専門的な技能や英語の能力の向上は必須です。そのためには、土台となる国語や漢字の能力の定着が先決です。特に漢字は、自国の文化や技術を習得し、国際社会に伝える上での基礎であり原動力です。
 一方、本校は工業高専ということもあり、理科や数学が得意な学生が多く、漢字を筆頭に文章作成や人前での発表が不得意な傾向があります。そこで、まず漢字への苦手意識を克服するため、漢検を活用しています。

漢検の実施内容と導入の経緯

 本校では漢検を年2回(秋・冬)実施し、特に秋検定では1年生全員が4級合格を目指します。初受検の合否が次への意欲に大きく影響するため、確実に合格できるよう一定の学習期間を設けて合格に至るための学習方法を教授したり、成績優秀者を発表・表彰したりと、学生の積極性や向上心を喚起する仕組みを作っています。その甲斐があり、現在では在籍者数約1,000人のうち、年間にその半数近くの学生が受検し、上位級を含めても毎年80%前後の合格率を維持しています。
 現在は学校を挙げての取り組みとして位置付けられましたが、導入当初(平成7年度)は漢検に向けて勉強する雰囲気はもとより、「工業高専生には特段の漢字力などはいらない」などの懐疑的な反応があったため、募集にも一苦労したことがありました。そこで、顧問をしている弓道部員に声を掛け、何とか志願者を集めました。さらに、部員全員と保護者の了承を得て、検定を積極的に推進してくこと、そして、何と平成10年度当時、「弓道部部員は卒業までに漢検2級に合格して社会に出よう」などのスローガンも生まれたほどでした。
 このような小さな取り組みの積み重ねが周囲に少しずつ好印象を与え、当時の校長の後押しや他教員の能動的な支援が得られるようになり、校内での協力体制が次第に整えられていきました。また、円滑に実施するには保護者の理解を得ることも不可欠です。そのため、保護者懇談会などを利用して、漢検の取組状況を報告するとともに、学生の頑張りに感謝の気持ちを伝えました。「漢検を受検する姿勢からもわかるように、本校には何事に対しても目標を持って継続的に努力する学生が多く、非常に頼もしい。」と申し添えたことで、保護者も有力な後ろ盾になってくださいました。保護者の協力が今の「漢検」の鈴鹿高専を築いてくれたといっても過言ではありません。

実践している様々な工夫

1.資料配布について
 少々いじわるな手法ではありますが、漢検の資料を教室には10部程しか持って行きません。その状況下で、受検を呼び掛けます。当然、数が足りません。行き渡らなかった学生には私の研究室まで取りに来てもらいます。自発的に受け取りに来た学生には、資料と併せて漢字自主学習ノートや練習問題を挟み込んだファイルなどを提供し、勉強のお膳立てをしています。それが学生の中で伝播し、次から次へと学生が研究室に足を運ぶことになり、結果的に志願者全員に配布することができます。

2.漢検対策について
 先述の通り、本校では1年生全員に4級合格を目標にしています。幸先よく1度で合格するためには、一定の学習期間を用いた計画的な検定対策が必要です。
 そこで、学生には8級から5級までの問題に取り組ませます。もちろん4級の問題を把握することも大事ですが、それ以上に漢字学習は基礎基本の徹底が重要だと考えています。つまり、「5級までの模擬試験で満点を取れれば、4級を勉強しなくても合格できる」というのが私の漢検合格術の持論です。したがって、学生たちは4級の問題を限りなく検定直前か当日に初めて見ることになりますが、これが適度な緊張感を持って試験に臨み、不注意による誤答を防ぐこともできます。
 このような対策を準2級まで行います。ただし2級の場合は難易度が高くなり、学生にとって関門になっているようです。よって、過去の問題や予想問題も含め、徹底的に一貫して2級の問題に取り組ませることになります。

3.漢字学習について
 学生には普段から「漢字は文章の中で覚えなさい」と指導しており、参考書に出題されているすべての問題文をノートに数回程度書き写させています。一例を挙げると、<無礼な振る舞いに激怒した。>という問題文の場合、「激怒」の書き取り問題でも、「無礼」も同時に覚えるよう促します。間違えそうな難しい漢字が複数出てきた時は「1度で2度おいしい勉強」と言い聞かせています。

漢検の有用性や特長

 本校では学生の能力証明と努力を評価する制度を通して、漢検を「単位認定(1級:3単位、準1級:2単位、2級:1単位)」「評定加点(80点:「優」評価)」などの基準にし、電気主任技術者試験や情報処理技術者試験のような理系や技術系の国家資格試験とともに奨励しています。
 それは、長年の取り組みを通して漢検が進学や就職に大いに役立つと感じているからです。例えば、漢字を中心とした日本語力が身に付くことで、編入学において秀逸な課題論文作成やプレゼンテーションができるようになります。換言すると、文章を書いたり人前で発表したりすることをいとわないようになります。事実、エッセーコンテストなどで受賞する学生が近年増えています。具体的には、今年度(平成22年度)の「ニッケpure heart エッセー大賞」コンテストでは、「高校の部」9,200作品中、本校の1年生の学生が全国中央審査会で最優秀1編、優秀3編に次ぐ、佳作7編の中の1編に輝き、特別審査員の乙竹洋匡氏から表彰状を受け取りました。また、歴史的にも素晴らしいコンテストの1つである国際協力機構(JICA)の「国際協力中学生・高校生エッセイコンテスト」においても、平成18年度に本校の学生が中央審査の優秀賞に輝いて以降、その年から4年連続「学校賞」を受賞し、今年度は同機構から栄えある「特別学校賞」を受賞することができました。
 さらに、取得資格として就職時に履歴書や面接でアピールでき、卒業生の中には「実際に評価された」という実例もあります。おそらく、工業高専の学生が漢検を取得していることが、人事担当者に驚きと強い印象を与えることにつながっているのではないでしょうか。
 このように、本校の学生は自らの意見や長所を正確に伝える場面において、漢検で培った「自己表現力」を発揮しています。加えて、検定直前には学生同士が問題集から出題し合う姿が見受けられます。漢検を通して互いに切磋琢磨する中で、「協調性」の涵養につながることも特長の1つだと感じています。


学校紹介

 鈴鹿高専は、全国12の一期校のひとつとして昭和37年に設立された歴史ある工業高等専門学校で、これまでの43年間に卒業した6,800人余りの卒業生は技術者や研究者あるいは企業家として社会で活躍し、産業界の方々から高い評価を受けています。また平成5年には、科学技術の一層の進展と本格的な国際化時代の到来に対応するため、さらに2年間の高度な専門教育を実施するための「専攻科」を設置しました。
 なお、来年度、平成24年度には創立50周年を迎えることで、さらに「世界に羽ばたく創造的なエンジニア」の育成を目指して、ますます充実した高専へと進化し続けています。


※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。


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