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「やぶさかではない」とはどんな気持ち? ~“ない”がつくけれど否定ではない~

昌人さん:今、学部の新入生に贈る冊子を作成していて、教授に寄稿をお願いしたら「やぶさかではない」と言われたんです。聞きなれない言葉だったんですが、「ない」ということは拒否されたんだと思って引き下がったんですが、「やぶさか」って、いったいどういう意味なんでしょうか?

漢検博士:たしかに最近はあまり聞かなくなった言い回しだが、奥ゆかしい、非常に日本的な表現だから、覚えておいてほしいな。「やぶさかでない」は、やりたくないわけではない、つまり「やりたい」という前向きな気持ちを表しているんだよ。これは「緩叙法(かんじょほう)」といって直接的な主張をせずに、その逆の意味のことを否定する表現方法なんだ。「ない」という否定形を使うため、「イヤイヤ引き受ける」という意味で使われることがあるけど、誤用だよ。

昌人さん:なんだ~、断られたんじゃなかったんですね。それにしてもまわりくどい表現ですね!「藪(やぶ)」や「坂」は通るのがめんどうくさいので、「やぶさか」は誰もが嫌がることからできた言葉ですか?

漢検博士:違う違う(笑)。「やぶさか」は、漢字で書くと「吝か」。けちという意味の「吝嗇(りんしょく)」という熟語で目にするよね。「吝」は文+口からできていて、口先を飾って(言い訳して)、金品を手放さないことを表している字なんだ。そこから「ものおしみする」「ためらう」「気乗りしない」というネガティブな意味が生まれたんだよ。「私が」「私が」と激しく自己主張するのではなく、「やる気がないわけではない」「わたしでよければやりましょう」と遠回しにやる気を表明するという奥ゆかしさ。言葉だけでなく、そうした精神性も、ちゃんと受け継いでいきたいものだね。

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