「漢検×辞書引き学習法体験」講演の様子
当協会では、平成22年8月1日(日)に名古屋市で親子・教員参加型セミナーを開催しました(後援:愛知県教育委員会、岐阜県教育委員会、三重県教育委員会、名古屋市教育委員会)。当日の講演の様子をご紹介します。
「夏休み親子・教員参加型セミナー 漢検×辞書引き学習法体験」を開催
「知っている言葉、好きな言葉を20個選んで国語辞典に付せんをはっていこう」。辞書引き学習法で知られる深谷圭助中部大学准教授の指導の下、集まった小学生約70人は、各自持参した辞書を手に取り一斉に調べ始める。「10枚はれた人」「20枚はれた人」の深谷先生の問いかけに、会場のあちこちから手が上がる。「中でも好きな言葉は?」に「宣戦」と答えた小学3年生の男の子は、その理由を聞かれて「漢字がかっこいいから」。「海岸」と答えた小学4年生の女の子は、言葉の意味を「海と陸の境目」と自分の言葉で答えてから、好きな理由を「きれいだから」と付け加えた。これは財団法人 日本漢字能力検定協会主催の教員・保護者向けセミナーにおける親子対象の模擬授業での一コマ。
この模擬授業に先立つ第一部では、集まった保護者、学校関係者約150人に深谷先生が、辞書引き学習法による国語学習の可能性について講演。「辞書引き学習法は、知らないことが当たり前から始まるため、正解をつないでいくテスト型学力とは異なる力を育てるのに有効。もちろん自ら学ぶ習慣が身につき、学び方を習得できるから継続的に学ぶ意欲も育つ。さらに辞書で調べたことは忘れにくく、言葉との濃密な関係が築けて、学力の根幹ともいうべき言語力を身につけることができる」と力説。さらに保護者に対して、子どもに辞書を引けという前に自らが先に引いてみせることや、低学年のうちは辞書を引く時間をある程度決めてあげることが大切であるとアドバイス。また、国語辞典だけでなく漢字辞典についても、低学年から十分活用できることも実践事例をあげて説明した。
このとき別室に集まった小学生は、まず当協会職員による漢字クイズに興じ、漢検の過去問にも取り組んだ。終了間際には、池坊理事長が飛び入りで「漢字は大人になっても役に立つものだから、今からしっかり勉強してくださいね」と子どもたちに語りかける一幕もあった。
親子で辞書引き学習に取り組む模擬授業では、知っている言葉の辞書引きを一通り行った後、植物や動物の名前を漢字で答える漢字クイズが行われた。「ぼうしの中にいる動物は何?」(答え「牛」)、「お日様に向かって笑っている。夏になると笑っている。黄色の大きな笑顔で」(答え「向日葵」)、「あれはだめ〜、これはだめ〜、それはだめ〜と、め〜め〜言っている私は誰?」(答え「羊」)など、子どもたちはクイズに答えたうえでそれらの言葉をあらためて辞書で引いてみることで、辞書引きの面白さを一層、実感したようだ。
最後に深谷先生は、「今日20枚貼れた人は、その調子で、家に帰ったら50枚貼ってみよう。それを毎日続ければ10日で500枚になる。夏休みはあと30日あるから、2学期までには1,500枚貼れるかもしれない」と子どもたちを激励した。 参加した親子には思い出に残る夏の一日となったようだ。
講演者プロフィール
深谷 圭助 氏 中部大学 准教授
1965年生まれ。国語辞典を学校生活のさまざまな場面で取り入れることで、児童が主体的に学ぶ辞書引き学習法を展開。立命館小学校校長を経て、現在、中部大学現代教育学部准教授。主な著書に『7歳から「辞書」を引いて頭をきたえる』(すばる舎)、『辞典・資料がよくわかる事典』(PHP 研究所)。
































