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「当て読み」ってなんだろう? 誤読が認められるようになった漢字②

昌人さん:最近、「秋桜」と書いて「あきざくら」ではなく「コスモス」と読むようになったのは、歌謡曲のタイトルのせいだと聞きましたけど、こういうのも“当て読み”って言うんですか?

漢検博士:もともとコスモスの和名として「秋桜」の字があって、それを「コスモス」と読ませただけなので、こういうのは“当て読み”と言うんだ。運命と書いて「さだめ」、本気と書いて「マジ」、宇宙と書いて「そら」と読ませるのと同じだな。

辞書にのるほど一般的になるのは、少ないんでしょうね……。“当て読み”のほうが優先されるようになったものってあるんですか?

  • 世論(せろん → よろん)
    もともと、「多数の人々の議論に基づいた意見」という意味の「輿論」という熟語があったが、戦後、「輿」の字が「当用漢字表」にのらなかったため、「世間一般の感情から出た意見」という意味の「世論(せろん/せいろん)」の字を「輿論」の代わりに使うようになった。「世」の字が「せ」とも「よ」とも読むため、本来の意味である「よろん」の読みと混同されて広まり、今では辞書の見出し語やテレビなども「よろん」と読むほうが多くなっている。
  • 固執(こしゅう → こしつ)
    「執」の本来の音は「シュウ」で、「シツ」は呉音・漢音・唐音などの中国の漢字音には存在しない“慣用音”なので、「こしゅう」と読むほうが本来の読みである。しかし、「執念」「執着」などよりも「執行」「執筆」「執事」など「シツ」のほうが口にすることが多いためか「こしつ」の読みが広まり、どちらも正しいとされるようになり、今では辞書で「こしゅう」とひいても「こしつ」のほうへ導かれるなど、完全に逆転している。
  • 依存(いそん → いぞん)
    「存」は、「一存」「存分」など“思う”の意味で使うときは「ゾン」、「存在」「存亡」など“ある・いる”の意味で使うときは「ソン」と読むのが普通だったが、後者も「ゾン」と読まれることが増え、NHKでも2014年に「いそん」から「いぞん」へと変更するなど、濁るほうが一般的になった(「共存」「現存」「残存」なども同様の扱いに)。「既存」だけはいまだ「きそん」と濁らないほうが一般的。共存もただしくは「きょうそん」。
  • 味気ない(あじきない → あじけない)
    もともと、面白みがないことをあらわす形容詞として「あずきなし」があり、「味気」の漢字を当てて「あぢきなし」と読むようになり、やがて「あじきない」に変化し、現在は「あじけない」と読むのが一般的になった。読み方だけでなく意味も、面白みがないことから、風情がない、ゆとりがない、情けない、やるせない、などの意味へと広がっている。

*左が本来の読み → 右が現在では一般的な読み

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