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小学校

「目に見える目標」の設定が児童の学習意欲を高める

田島 美穂 先生 | 秋田 幸絵 先生

近畿 / 京都

[私立] ノートルダム学院小学校

田島 美穂 先生 | 秋田 幸絵 先生

1.「漢検」導入の背景

 本校では、1970年代より「漢字大会」と銘打った校内漢字テストを年3回、各学期末に実施し、毎時の漢字小テストとともに漢字学習の定着をはかってきました。これは児童の目標となり、学習意欲の向上に役立っています。しかし、30年来実施してきた中で、児童にとっても我々教師にとっても「日常化」し、目標としてのインパクトに欠けつつあることを感じてきていました。より高いモチベーションを持つことのできる目標設定の必要性を感じていたのです。

 それまでも、漢字が得意な児童には学年配当漢字のみにとどまらず、どんどん学習するよう指導しており、このような漢字が得意な児童の学習意欲をさらに高めるために「校内漢字検定」を設けてはどうか、という案が国語部より出されました。この案は文字通り校内独自に全校統一の検定級を設け、検定問題も独自に作成するものです。その検定内容を具体的に検討していく中で、「漢字が得意な子だけではなく、苦手な子までもが、高いモチベーションを持てるようにすべき」という考えになりました。その目標としてあげられたのが、「校外でも通用するより客観的な評価」でした。そこで、この目標を満たし、資格としても有効な「日本漢字能力検定」受検が最適であると判断し、導入することにしました。

2.検定実施形態

 平成12年度から「漢検」を導入しましたが、初年度は希望者のみで受検しました。しかし、希望者という形にした結果、もともと漢字学習に自信のある児童や、漢字学習に熱心な保護者の児童に受検者が偏り、「苦手な子のモチベーションも高める」という「漢検」導入の目的に沿わなかったため、翌平成13年度より、全校受検に切り替えました。

 1年生から6年生まで全員が、学年該当級(1年生=10級・・・6年生=5級)以上を受検することにしました。そのため、受検するのは毎年冬(第3回検定)になります。ただ、6年生に限っては、冬の時期が中学受験と重なるケースが見られたため、平成14年度より秋(第2回検定)に前倒しし、以降、6年生は秋、1~5年生は冬という形で毎年継続しています。
 結果として、児童全員に「検定合格」という目に見える形の明確な目標設定ができ、モチベーションは確実に上がりました。漢字学習が苦手な児童は「該当級に合格したい」、得意な児童は「上の級に合格したい」と、それぞれの目標を持つことが可能になりました。

 ここで特筆したいのが、「学年該当級以上」の検定級受検を徹底した、という点です。私学である本校でも、漢字学習を特に苦手とし、敬遠する児童は過去も現在もいます。また、本校は帰国子女受け入れ校として、現在も80名以上の帰国子女が在籍しています。特に帰国生で海外在留歴が長いほど、概して漢字学習は苦手です。苦手な児童にとっては「検定合格」ということ自体が漢字学習への意欲を高めるということも考えられるため、学年該当よりも下の級を受けさせることも考えました。しかし最終的には、帰国生も含め漢字に対して拒否的感覚を持っている児童に対しても、学年該当より下の級の受検を認めず、高いハードルにあえて臨ませ、失敗した時のフォローを学校として責任を持つことにしたのです。
 結果的には5%ほどの不合格者が出ましたが、不合格の児童は、自信を喪失したり、漢字学習に対してより苦手意識を持ったりすることなく、ある程度の達成感を得ていました。それは、検定結果通知を見ることで「あと○点で合格できた」「書き順問題で失点している」などを確認することができ、自分の頑張り・努力が明確にわかるからです。また、これがその後の漢字学習の指針を持つことにもつながっているようです。

 「漢検」導入以来、合格率は年々上昇し、平成18年度には99%を超えるまでになりました。全校児童は約1000人もいますので、これは「明確・目に見える目標」の設定が、児童のモチベーションを上げたことの証しだと思います。

3.漢字指導

 子どもたちは、漢字の「読み」よりも「書き」が苦手である場合が多いことは、漢字大会や「漢検」の結果から明らかです。逆に言うと、「読み」に対しては、苦手意識は低いと言えます。このことを逆手にとり、書くのは難しい漢字であっても、読むことができれば漢字学習への苦手意識は薄れ、取り組みに積極性が出ると考えました。
 そこで「漢字フラッシュカード」を導入し、授業開始時に1~5分程度で行っています。これは、教員が漢字熟語のカードを順番にどんどん出していき、子どもたちがそこに書かれた熟語を読む、というものです。小学校で学習する1006字と、一部それ以外の身近に触れる漢字が対象で、それをテーマごとにひとまとまりにしています。席順に一人ひとり声に出して読んだり、列毎やクラス全体で読んだりするなど、さまざまな方法で実施しています。学年該当漢字の順列とは無関係に熟語群があるので、児童が読めないことへの劣等感を持つことなく実践することができています。1回の実施で10個の漢字を読むことを年間35週続けたとして、1年で350の漢字を読むこととなり、3年生までにほぼ6年間分の漢字(1006字)を読ませることが可能です。
 このフラッシュカードによる学習は、児童にとってはゲーム感覚であり、楽しく漢字の「読み」を学習できています。そして、先に「読み」を覚えていることにより、教科書で新出漢字を学習する際の抵抗感が薄まり、「書き」の学習効果が上がっています。また、日本漢字能力検定協会発行の『漢字学習ステップ』を1人1冊持たせ、家庭学習の課題にしています。
 このように、特別な検定対策というものを行っているわけではありません。確かに検定合格を目標としますが、検定受検はあくまでも日常の学習の延長線上にあるものです。日々、学習を積み重ねていくことが大切であり、検定合格はその結果としてついてくるものだと考えます。

4.今後

 本校では「よく考え、判断し、正しく行動する」力を身につけさせることを目標にしていますが、そのための土台には国語力が必要です。国語力を育成するためにはさまざまなことが必要ですが、その国語力のさらに土台となるのが「読書活動の推進」「漢字能力向上」であると考えています。また、本校国語部では、年度によって「ことばの感性を磨く」「対話力を育てる」など、指導目標を立てて指導にあたっています。「漢検」は教師側にとっても、これらの指導がうまくできたかどうかをはかる一つの指標になっており、今後も、本校の教育活動に役立てていきたいと考えています。


※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。


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