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団体受検 取組事例(小・中・高 等)

小学校

漢検を全校児童で受検することで"自尊感情"を育んでいます

校長 曽根 節子 先生

関東 / 東京

[公立] 港区立青山小学校

校長 曽根 節子 先生

本校の課題

 本校は平成22年度に創立135周年を迎えた、歴史と伝統のある学校です。本区の学校選択制の導入と併設幼稚園の閉園によって、児童数が減少し、少人数ならではののんびりした雰囲気の中、学力格差が広がり、学力が正規分布しない、いわゆる二極分化が起こっています。学力の低い子ども達は、決して能力そのものが低いわけではありません。「どうせできない」と最初からあきらめてしまい、学習そのものに手をつけようとしないのです。それはつまり、学習意欲を育むきっかけに恵まれなかったに過ぎません。そのような子ども達には、小さくても良いから成功体験を味わわせることで、「やればできる」という"自尊感情"を育んであげることが大切です。私は日ごろ子ども達に、「3つのC」を大切にするように伝えています。即ち、「Chance・Challenge・Change」の3つです。"機会"を捕えて"挑戦"し、それによって自らを"変える"ことが大切です。その先にはきっと、「4つめのC=Create"創造"」が待っているはずです。本校では、子ども達の"自尊感情"を育むきっかけづくりのために、様々な改革を行ってきました。そのいくつかをご紹介します。

【改革1】 ICTの導入 本校は、行政・地域や企業との連携によるICT活用の実証研究プロジェクトに、モデル校として参画しました。今では、ICT教育の先進校とまで呼ばれるようになっています。紙の教材には拒否反応を示す子どもであっても、ICT教材を目の前にすると興味を示します。学習意欲の高い子にとっては紙の教材でも十分かもしれませんが、学習意欲の低い子にとってICT教材は学習を始めるきっかけとしての効果は非常に高いと実感しています。ペンタブレットを使った書き取り練習が行える漢字検定対応ソフトなどを導入し、子ども達が学習に向かうきっかけを生み出しています。

【改革2】 漢字検定の全員受検 漢字検定は、1年生から6年生まで、全校児童で受検しています。受検を希望する子ども達だけに受けさせていては、そもそも学習意欲の高い子しか受検せず、本来受けさせたい子が挑戦してくれません。漢字学習はやればやっただけ成果が出ますので、合格という成功体験を与え易く、"自尊感情"を育むのに最適です。また、漢字力は、全ての子ども達にとって必要不可欠な基礎能力でもあります。だからこそ、全員で挑戦するにふさわしい検定なのです。
 今年度(平成22年度)は、第2回秋の検定にて全員受検することにしました。1年生=10級、2年生=9級、3年生=8級、4年生=7級、5年生=6級、6年生=5級を目標級と定め、それ以上の級を受検するよう薦めています。また、秋の検定だけで全員合格することは難しいので、冬の検定では希望者を募り、不合格者の再挑戦、あるいはさらに上位級に挑戦したい子どもへの受検機会を提供していく予定です。受検前の指導法は、主に以下の通りです。

①夏季休暇中に2回の「漢字検定教室」を開催し、校長自らが教壇に立ちます。その他にも、「夏期チャレンジ学習教室」を10回程開いて、基礎学力を付けるためのドリル学習を行う中で、漢字力等を付けています。先述したICTの漢字検定対応ソフトに触れさせ、学習意欲を引き出すきっかけを与えます。また、実際の過去問題を解かせ、まずはどのような問題が出題されるのかを知ってもらいます。時間内に終わらなかった分は、家に持ち帰って保護者と一緒に解いてみるよう伝えます。保護者の方にも問題を見ていただいて、より良く理解いただくことが狙いです。その際、漢字検定対策問題集も紹介し、書店での購入を勧め、家庭学習を誘っています。

②9月には、放課後にコンピュータールームを解放し、漢字検定対応ソフトを自由に使わせるなど、自主学習のサポートを行っていきます。

③10月(検定本番の1ヶ月前)からは、いよいよ全校的な取り組みを開始します。朝学習の時間「ぐんぐんタイム(15分)」を使って、漢字検定の問題を想定したプリントを学習するなどします。

改革の効果

 私が校長に就任した当初は、通常授業もままならないこともある状態でしたが、最近ではそのようなこともなくなり、学校全体に元気や落ち着きが出てきたように思います。
 言葉の力が弱い子は、すぐに落ち込んでしまったり、友達とけんかをすることも多いように感じています。相手の言っていることが分からなかったり、自分の気持ちを上手く言葉にできずに、相手に伝えられなかったりするためです。結果として、自分の殻に入り込むか、すぐに手が出てしまうのです。言葉の力を育むことは、情操教育につながります。子ども達には、たくさんの漢字・語彙を与えて、言葉の力を育んであげたいと考えています。

今後の課題

 今後の課題は、子ども達の作文力や要約力を育成する教育です。覚えた漢字・語彙を使って、自分の気持ちや考えを文章で表現できる力の育成へと発展させたいと考えています。現在は、あらゆる教科の授業の中で、文章を書かせる時間を必ず設けています。指導のポイントは、"誰に対して発信しているのか"を、子ども達にきちんと意識させることです。そうすることで、文章とは意思を伝えるという目的を持って書くものだということを理解させると同時に、読み手への配慮といった情緒も養うことができるのです。
 もうひとつの課題は、家庭学習をいかに誘うかです。学校の授業という限られた時間の中だけでは、多くの能力を定着させることはできません。家庭を含む日常生活の中で、いかに多くのことを学ぶかが大切です。例えば、町で見かけた看板の漢字を読んでみる、分からなければ辞書を引いてみる、ということを、保護者の方も一緒になって行っていただくことが大切です。子ども達の学びのために、保護者の協力は必要不可欠です。それを促すためにも、「学校だより」や保護者会、学校HPなどのあらゆる情報発信の機会を使って、ICTや漢検の取り組みについても積極的に発信していくつもりです。

校舎外観

※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。


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