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中学校

自主性を育む

国語科 筆保 尚純 先生

近畿 / 奈良

[私立] 西大和学園中学校・高等学校

国語科 筆保 尚純 先生

1.育成したい人材像とそのための取り組み

 中高生の段階においては、まず何よりも「知る喜び、学ぶ楽しさ」を実感させることが大切だと考えています。本校のことを、大学進学実績だけを見て、受験指導に特化している学校だと思われている方もいるようですが、私たちの目的はそれだけではありません。知的好奇心を育む多彩な学校行事・体験活動を通じて、生徒それぞれの自主性・自発性を高めることに重点を置いています。生徒自身が、自らの内から湧き出る「意欲」に導かれて課題を克服する達成感を知ることが、のびのびと学校生活を楽しみながら目指す進路を実現することに結びつくと考えています。

 近年の入学生を見ていると、いわゆる学力であったり学習意欲という面については、世間で言われているような低下傾向は感じません。むしろ高くなってきていると感じています。これはもちろん本校が私立学校であり、入試というハードルをクリアしてきている生徒たちだからこそ言えることかもしれません。ただ、私は本校の卒業生なのですが、その頃と比べても、入学時点での学力や意欲はかなり高いのではないかと感じています。私たちが中学生だった頃は、もちろん勉強にも真剣に取り組んでいましたが、それでもそれほど将来のことを考えていたわけではなく、毎日楽しく学校生活を送っていただけだったと思います。ところが、最近は、全員が全員というわけではありませんが、「将来は医者になりたい」「海外で国際貢献活動をしたい」など、入学時点で既に明確な目的意識を持っている生徒も少なくありません。私たちはそのような生徒に対し、彼らが目指す将来に向けて成長していく手助けをしなくてはなりません。その中で重視していることは、先にも述べましたが自主性を育むこと、そして、社会でリーダーとして活躍できる人間性を育成することです。

 前述の通り非常に意欲の高い生徒たちですが、それでも入学当初は「自分でなんとかしよう」という「たくましさ」のような部分が少し欠けている気がします。これは小さい頃から両親や祖父母に大切に育てられ、望むものが与えられる環境で育ってきていることや、学習面においても、中学受験に向けて解き方から学習の仕方までを教わているなど、いわゆる「過保護」な状態で過ごしてきていることに原因があるのかもしれません。しかし、このような点も、入学後の学校行事や体験学習を通じて生徒たちは克服していきます。例えば体験学習ですが、これは生徒からの要望も取り入れながら、アカウミガメの産卵を観察したり、裁判所で裁判の体験を行ったりしました。生徒たちはそのような体験の中から「なぜ?どうなっているの?」という知的好奇心を膨らませ、さらに独自に学習を進めるようになっていきます。この、自分で疑問を持ち、調べていく習慣が生徒の成長には不可欠です。他にも中学では「卒業研究」という取り組みがあり、生徒は自分の興味・関心に基づいてテーマを決め、卒業までに原稿用紙20枚の論文を作成します。字数にして8,000字ですから中学生にはかなり大変なことです。「卒業研究」は生徒一人ひとりでテーマが異なりますので、実は我々教員側も指導が大変なのですが、生徒が知的好奇心を膨らませて自主的に取り組んでいるものですので、我々も全力で指導しています。過去には環境問題に興味のある生徒が、近くを流れる大和川の水質について調べたり、野球部の生徒がグローブの作り方について一から調べてきたりなど、本当に分野も様々ですが、興味関心のあることを自ら調べ上げ、「卒業研究」を完成させることで、生徒は達成感を得られ、「学ぶ楽しさ」を実感します。

2.リーダーとして必要な資質

 生徒には、社会に出て周りの人たちを引っぱっていき、この社会をより豊かなものに導く存在になってほしいと願っていますが、そのためには単に勉強ができる、「有名大学を卒業した」というだけではいけません。人から信頼し、尊敬されるような人間性を備えていなければなりません。そのためにはまず挨拶・礼儀・言葉遣い、などをきちんと身につけておかなければなりません。これらが無ければ、相手とのコミュニケーションをスタートすることができません。そして、相手とのコミュニケーションをとる中で、相手の気持ち・考えを理解することができなければ、人はついてきてくれません。「社会全体を良くしていこう」と考えたときには、利害関係にとらわれず、多くの人を巻き込んで、動かしていかなければ目的は遂げられません。そのためにはまず人の話をしっかり聞き、正確に理解できる力が必須です。もちろん自分の考えを論理的に相手に伝える力も重要です。これらの力を国語という教科で考えると、文章を読み内容を理解する「読解力」、自己の考えを論理的に明確に表現できる「文章作成力」ということになります。そして、それらの力の土台となるものが語彙力ではないかと思います。

3.「漢検」の取り組みと漢字学習

 本校では、「漢検」を中学1年生の頃から全員で受検します。まず入学すると、最初の国語の授業で、6月の検定に1年生全員で4級に挑戦すること、そしてその後の受検予定を告げます。具体的には1年生の10月の検定では3級を、さらに2年生の6月の検定で準2級、10月の検定で2級を目指します。入学してすぐに、中学2年生で漢検2級という高い目標を与えると、多くの生徒は尻込みするようです。しかし、4級を受検し合格通知を受け取ると、「よし、次は3級合格だ」といった感じで生徒が自主的に学習するようになります。実際に中学1年生の10月の段階で、ほぼ全員が合格しています。
 さすがに準2級・2級ともなると、全員が1回で合格とはいきません。しかし、先輩もみんな頑張って勉強して合格してきているよ、という話をしていくと、「漢検は西大和学園の中学生として必要な資格であり、取得しなければいけないんだ」という意識が生徒たちには生まれているようで、自然と「漢検」の学習に意識が向いていきます。2級まで合格すれば、在学中の「漢検」受検は一旦終了します。それ以上の級については、大学に入ってから自分の興味と時間に合わせて取り組めばよいと考えています。

 漢字学習は、毎回の国語の授業で「漢検」に対応している教材を使って、1ページ30問の中から10問から15問を出題し、書き取りテストを行っています。ただ、漢字が書けるようになるだけではなく、語彙を増やすことも目的としているので、その範囲の漢字の意味を辞書で確認する時間も積極的に作るようにしています。また小テストでも「漢検」を意識させると共に、漢字を学習することで語彙を増やし、日常の生活で使える言葉を増やしていくことで、その場面に応じたより良い言葉を選び取る事ができるようになることが、人間の幅を広げることにもつながってくるというような、漢字学習の重要性を説き、生徒の漢字に対する学習意欲を高めています。

 漢字学習は、地道な努力や反復練習が必要ですがそれを怠らなければ、結果はついてきます。地道な努力や反復練習は生徒が避けて通りがちな分野ですが、しんどいけれど頑張ってやれば結果につながんだということを漢字学習を通して身をもって実感できます。そういう意味では、漢字学習はすべての学習の基礎になってくるとも言えると思います。


※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。


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