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中学校

多くの語彙を獲得し地道に積み重ねる大切さを学ぶ

国語科 藤井 千夏 先生

近畿 / 大阪

[私立] 関西大学第一中学校・高等学校

国語科 藤井 千夏 先生

1.「基礎学力」を重視

 生徒の大半が関西大学へ進学する本校では、中学生・高校生段階を「大学での高度な学びを支える土台を築く期間」と位置づけています。様々な活動を通じて、自分で考え、行動できる力を身につけさせますが、その中でも「読み書き計算」という「基礎学力」を重視しています。いわゆる「一を聞いて十を知る」生徒よりも、「一を聞いて一を確かなものにする」生徒の育成を目指しています。
 この「読み書き計算」といった分野は、地道な反復学習が必要であり、ともすれば生徒が避けて通りたいと考える分野です。しかしながら、この反復学習を疎かにしては、確実に身につけることはできません。ゆえに、生徒の学習意欲を高めるために、検定を活用しています。

2.漢字学習と「漢検」への取り組み ~高校1年生までで漢字学習は終える~

 漢字学習については、もともと他社の漢字テストを活用していました。しかし、せっかく外部の指標を活用するのであれば、より客観的に測れ、なおかつ資格として社会的にも認知されている「漢検」を活用した方が効果が高いのではないかと考え、高校では平成4年から、中学校では平成11年から導入しています。高校では希望者が受検していますが、中学校では毎年3学期に全校生徒が受検しています。中学校での全校受検は、当初、生徒の「中だるみ」を防ぐためという目的がありました。本校では中学校から高校へはほぼ全員が内部進学するため、特に中学3年生の3学期という時期は緊張感に欠ける面がありました。そのため、準2級という少し高めの目標を設定して、冬休みから3学期にかけて勉強し、受検するようにしていました。結果、合格率も生徒の取り組み姿勢も良好だったため、次の年から対象を全学年に広げ、年度当初から計画し、1年間継続して学習できるようにしました。
 中学生は「勉強しなさい」といえば、比較的素直に取り組める年代です。また、柔らかい頭で吸収できるときに少しでも多く学んでおけば、後々が楽になります。
 取得級の目標は、中学1年生=4級、中学2年生=3級、中学3年生=準2級と定めており、それに向けて1年間学習します。具体的には、毎週土曜日に漢字学習の時間を1時間設け、毎時間問題集の漢字を練習していきます。だいたい1回の授業で60字ほどの漢字を対象として、部首・画数・熟語などを確認しながら5回ずつ練習します。授業時間内にできなかった分は宿題として、次回の授業で約5分間の確認テストを行います。それが終われば、また次の60字を学習するという流れで1年間学習していきます。マス目に丁寧に書くことも意識させており、「書写」レベルだとも言えます。中学校に入学したばかりの1年生は、不慣れな作業に対して四苦八苦する生徒もいますが、こつこつと継続していくことで、次第に慣れ、学年が終わる頃には字を丁寧に書く習慣もついてきます。しかし、継続することは容易ではありません。「漢検を受検する」という目標があるからこそ、1年間学習意欲を維持できるのだと思います。検定前に模擬テストを行っていますが、点数によって一喜一憂している姿を見ていると、特にそう感じられます。
 幸い合格率も非常に高く、ほとんどの生徒が合格しています。そのことも生徒のやる気につながっていると思います。「合格しなければならない」という良い意味でのプレッシャーもあり、合格するととても喜んでいますし、残念ながら不合格になった生徒も「今のうちに追いつく」と個人受検をしたり、「来年こそは合格する」と決意を新たにするなど、モチベーションを高く維持しています。やはり、1年間がんばってきたことが、最後に結果として明確にあらわれますので、「やればできる」という達成感・自信につながっているのだと思います。
 高校生については、希望者を募って実施していることもあり、学習スタイルも中学校とは異なりますが、学校としては、漢字学習・語彙学習は高校2・3年生まで引っぱらず、高校1年生までである程度終わらせたいと考えています。これは早く文章表現等の指導に力を入れていくためであり、定期テストの試験範囲に漢字学習を組み込んだり、毎週小テストを行うなどして、生徒の意識を高めています。結果的には、中学3年生までにほぼ全員が準2級に合格していることもあり、希望者とはいえ高校1年生はほぼ全員が2級を受検しています。
 以上のような「漢検」への取り組みに関しては、社会的認知度が高い資格であることもあって、保護者の反応も良好です。その期待に応えるため、学年毎の級別合格者数などを学校ホームページや学校案内に掲載し、結果をきちんとお伝えするようにしています。

3.言葉を大切にする人に

 私たちから見えている範囲では、特に生徒の学習態度や意欲が落ちているとは思いません。与えられた指示に対しては、こちらがびっくりするぐらいによく取り組みます。ただ、自分から課題を見つけて取り組んだり、自ら「こうしたい」という積極性、自主性については、少し物足りないかな、という気はします。
 漢字についても、入学時点で見られる傾向として、テストなどでは非常によく書けるが、普段のノートなどではひらがなで済ませるなど、求められる場ではきちんと答えられるが、それ以外の場で活用できていないケースが見られます。ひょっとすると、中学入試・高校入試をクリアするための効率的な学習習慣が影響しているのかもしれません。
 本校の生徒は、大学に入れば全国から集まった仲間の中心となり、ひっぱっていく立場です。また大学卒業後には様々な進路につきますが、それぞれのステージでリーダーとして活躍するために、私たちはまず「言葉を大切にする人」になってほしいと考えています。言葉をただ知識として知っているというのではなく、言葉の持っている意味、使い方によって相手にどのような影響を与えるのか?これを常に意識できる人間になってほしいと考えています。そのためにはまずより多くの語彙を獲得する必要があり、そのためには効率的な学習ではなく、地道な積み重ねが必要です。その点においても「漢検」は役立っています。「漢検」では、通常の国語の授業で学ぶよりはるかに多くの語彙に出会うからです。

 さきほど「言葉を大切に」と申し上げましたが、これは相手を思いやり、自分の思いを「自分の言葉で」伝えられる人になってほしいということです。相手が発する言葉・その中身を正確に理解し、それを受けて自分の思いを言葉で伝える。この力を身につけるためには、やはりまずはたくさんの語彙を獲得しておく必要があります。そのために我々ができることは何か?ということを常に考え続けています。


※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。


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