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コクヨ労働組合

コクヨ労働組合  中央執行委員長 山野内 孝満 様

文章力を高め「仕事の価値」を上げる、一歩進んだ働き方改革に


中央執行委員長 山野内 孝満 様

知的活動を豊かにする商品やサービスを提供する

 コクヨ労働組合は、コクヨ株式会社の経営者・管理職以外のすべての社員が加入する労働組合です。社員の生活を豊かにするとともに、全社員の意思を企業発展や労働環境向上の議論に反映させ、企業と業界の価値を高めていくことを目的に結成され、2016年に70周年を迎えました。
 コクヨ株式会社は、1905年に和帳の表紙を製造する「黒田表紙店」として創業しました。コクヨの事業は「ステーショナリー」「ファニチャー」「通販・小売」から成り立っており、それぞれの事業は「はたらく」「まなぶ」「くらす」といった生活のシーンの中で必要な商品やサービスを提供しています。日本国内だけでなくアジア市場へも進出しており、今後さらなる事業拡大を目指しています。当組合の組合員でもあるコクヨ株式会社の社員には、前向きに仕事に取り組み、自己成長を続けていくことが求められています。

どの部門でも必要となる論理的文章力

 日々の業務において、論理的文章力を必要としないことはほぼありません。営業部門や開発部門、サービス開発部門などでは、社内外に向けて頻繁にメールを作成しています。趣旨を齟齬なく、かつ失礼のないよう伝える必要があります。メール文の精度が高ければ、意思伝達と合意形成がスムーズに進むため、業務運びがうまくいきます。これらの部門では、プレゼンテーションの資料としてパワーポイントを作成することも多いのですが、この構成を考えるにも論理的文章力が必要です。目的やターゲット、現在の課題や提案内容などを、相手の賛同を得られるように組み立てることは、文章を論理的に構築する力なしにはできません。
 また、工場の生産工程をつかさどる生産管理部門でも、文章力が重要です。上司や他部署の関係者はもちろん、外注先の業者や工場の担当者など、商品製造に関わる様々な役割をもつ人々と、生産計画や発注依頼、伝達・報告をメールや文書でやりとりします。文章コミュニケーションのミスは、前後の工程と連携がうまくいかない、計画や依頼の内容が誤って伝わるなどのトラブルにつながりやすく、場合によっては工場がストップしてしまうこともあります。相手に伝わるわかりやすい文章を書く力や、文章やデータを正しく読み取る力が不足していると、こういったトラブルを誘発しかねません。
 私自身は、マーケティング部門に配属となった際に、論理的文章力の必要性を痛感した経験があります。マーケティング部門の業務の成否は、どれだけ他部署の社員が動いてくれるかにかかっているといっても過言ではありません。マーケティング部門が導き出した方向性を、一人ひとりに納得してもらい、実際に行動に移してもらうのは、なかなか難しいことです。相手が納得のいく説明をする力、つまり論理的文章力が肝要なのです。

一歩進んだ働き方改革として、文章検を社員の「仕事の価値」向上に活用

 当組合では、2014年から中期ビジョンとして「ワーク・ライフ・アドバンス↑」というコンセプトを打ち出し、一歩進んだ働き方改革を目指しています。効率的に働き「仕事の価値」を上げ、オフの時間をより豊かに過ごすことで「生活の価値」を上げ、そこで得た知見でさらに「仕事の価値」を上げるサイクルを回し、個人の成長が企業の成長に繋がっていくことを目指しています。
 2014年以降、仕事以外のコミュニケーションを活性化させるためのビアパーティを開催したり、心の豊かさと視野の広さを育むために戦争や災害の実態に触れる機会をつくったりと、様々な活動を行ってきました。今回は「仕事の価値」をさらに高める活動として、社員が個人の能力を伸ばす教育系イベントにも力を入れることにしました。まずは、全ての社会人に必要な能力である文章力に着目し、社員が文章検を受検する機会を設定。希望する社員が文章検2級を受検しました。
 文章検では、読み手の好き嫌いなどの主観を排除した客観的な採点基準を用いて文章が採点され、その結果は合否を明確に線引きする形でフィードバックされます。客観的な採点と明確な合否のフィードバックは、学習者の学習意欲を高めることにつなげやすいと考えています。
 こうした当組合の活動や成果を、他の労働組合にも展開し、社会全体を豊かにすることに貢献していきたいと考えています。

中高生・大学生の皆さんへ 
~様々な意見や異なる表現の仕方を知り、自分の考え方を探求する

 コミュニケーション力と積極性は、社会に出てから非常に重要視されます。仲間内の会話でありがちな単語のみの発言ではあなたの魅力を伝えきれませんし、社会に出てから通用しません。TPOに合った伝え方ができない人は、仕事で結果を出すことは難しいでしょう。また、意見を求められなければ何も発言しないというのも考えものです。社会に出て成功し続けられる人は、相手の話を理解し受け取ることはもちろん、その論点について自分の考えを深め、意見として返答できる人です。
 企業では、立場の異なる人たちとコミュニケーションをとりながら、チームで仕事を進めなければなりません。要領を得ない伝え方では、どんなにいいアイデアでも理解されませんし、アイデアの根拠を説明できないと説得力に欠けてしまいます。なぜこの考えにいきついたのか、自分の考えの根拠を提示し、相手にわかりやすく表現することができるようになってほしいと思います。
 今の時代、スマートフォンやパソコンで情報収集をすることが多いと思いますが、新聞や雑誌なども読んでみると、同じニュースでも随分違うように書かれていることに驚きを感じられるでしょう。様々な意見や異なる表現の仕方を知ることで、自分はどのような考え方や捉え方をしているのかを探求してください。


※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。

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