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団体受検 取組事例

高校

生徒の興味や自信を引き出し、論理力と記述力を高める

国語科 主任  矢櫃 富雄 様

関東 / 神奈川

[私立] 武相中学・高等学校

国語科 主任  矢櫃 富雄 様

輩出したい人物像と必要な能力

 社会の価値観が多様化している中、教育の分野にも変革が求められています。武相中学・高等学校は、建学の精神である「道義昂揚」「個性伸張」「実行徹底」を体現できる人材を輩出しています。生徒たちは日々、グローバル社会で求められる論理的思考力、問題解決能力、自己管理能力、コミュニケーション能力などの修養に励んでいます。
 本校の国語科では、自分の思いや主張を他者や社会に向けて自発的に発信するとともに、他者の発言の背景にまで想像力を働かせ、意図を読み取ることを重視しています。他者の発言の意図を理解し価値観の違いを受け入れること、これが真の「実行徹底」「個性伸張」につながります。相手を受け入れることで自分自身も高めていけるような人材の育成を目指しています。

取り組むべき課題

 現在本校の国語科では、建学の精神を体現する人材に必要な力である、語彙力・論理力・記述力・鑑賞力の育成に力を入れています。確かな情報を正しく読み取るためには語彙力や論理力が不可欠です。今は、スマートフォンなどを使って情報をすばやく得ることができますが、それを精査し取捨選択することが必要です。語彙力や論理力がなければ、情報あふれる社会の中で、真実を読み誤ってしまいます。また、言葉を用いて自分の意図を伝えられる記述力も重要です。社会に出てから他者と協働していくには、自発的な発信が求められます。発信する際には、思いや考えなどの形のないものを、言葉という伝えられる形に整えなくてはなりません。記述力がなければ、他者とコミュニケーションをとることが難しくなってしまいます。そして鑑賞力の育成については、文学作品を通じて他者の心情を読み解くことや、評論文を通じて現代社会が抱えている問題を読み解くことを通じて、自己と他者の比較をしたり社会課題を自分ごととしてとらえたりする力を磨いていきます。

「文章検」を活用する目的

 本校では、論理力や記述力の育成に「文章検」を活用しています。大学生になり論文を書くときや、社会人になり企画立案やプレゼンテーションをするとき、必ず求められるのは説得力です。論理力や記述力が乏しいと、説得力のない論文やプレゼンテーションになってしまいます。さらに「文章検」は、大学進学後に必要な力を育成できるのはもちろん、進学時の関門である「大学入学共通テスト」とも親和性があります。構造的に文章を書く力や、異なる主張に対しての見解を示す技術など、「文章検」で身につく力が「大学入学共通テスト」でも役立つはずです。
 希望する進路を実現し、進学後も活躍していくための支援として、中学生全員と高校1年生の特進クラスで「文章検」を活用しており、その他の希望する生徒にも受検機会を与えています。

「文章検」の学習指導

 本校では、将来的に準2級レベルの論理力・記述力を習得することを目指して、現在は中学生で4級、高校1年生で3級と、段階的な導入をしています。中学生は週1回の7限授業で、高校生は週1回の現代文で学習をしています。4月から10月末までの長期にわたり、『基礎から学べる!文章力ステップ』を使用し、毎回章を変えながら演習しています。
 授業の中では平均3種類の演習を行います。選択問題では、演習後に教員が解答を発表し、生徒にその解答が正しい理由を発表させます。なぜその答えになるのかを説明することで、考え方を浸透させる狙いです。その後、教員から改めて解説を行います。文章作成問題では、初めは文章に苦手意識のある生徒も多く、いきなりまとまった量の文章を書くことができません。そのため、単語の羅列→箇条書き→長文というように段階を踏んで文章作成に取り組んでいます。自分で文章を作るだけでなく、模範解答の書き写しも行います。全文書き写すこともしますが、「事実の部分だけ書く」というように、文章構造を意識しパーツごとに分解して書き写すことで、事実と意見を区別する訓練にしています。

「文章検」の効果

 これまで、文章がまったく書けず答案を白紙で出していた生徒が多かったのですが、授業でしっかりと取り組んだ結果、ほとんどの生徒が「文章検」の解答を制限時間内で書き上げることができるようになりました。生徒に聞くと、書き方がわかったことで文章に対する恐怖心がなくなり、記述力がついていると手ごたえを感じたということです。
  また、初めは、記述問題の解答を作成する際に「事実」としての具体例を一つしか書けなかった生徒が、共通性のある複数の具体例を出せるようになりました。書く要素が増えることで、説得力も高まり書く文字数も増えました。読書感想文などを見ても、思いや考えを伝える順番や構成を意識して書ける生徒が増えました。
 「文章検」では、段階を踏んだ級設定になっており、文章の読解能力と作成能力が客観的な指標で評価されます。また、本校で使用した教材『文章力ステップ』は学習の分野や段階がわかれており、文章を読解・作成するポイントを生徒にわかりやすく伝えられる仕立てになっています。様々な分野の問題があるので、自分の得意な分野ができ、文章の面白さを感じている生徒もいます。
 「文章検」は、生徒の文章に対する興味や自信を引き出してくれました。今では多くの生徒が「文章検」を受検したいと申し出るまでになっています。今後も、さらに生徒の論理力や記述力の育成に注力していきたいと考えています。

※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。


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