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団体受検 取組事例

高校

「文章検」を活用し、コミュニケーション能力の育成に取り組んでいます。

国語科 永井 充先生

関東 / 東京

[公立] 東京都立小石川中等教育学校

国語科 永井 充先生

学校の特色

・教育理念
 「立志・開拓・創作」です。これは、府立五中と小石川高校の伝統を継承したもので「自ら志を立て、自ら進む道を自ら切り拓き、新しい文化を創りだす」ことを意味しています。自主自立の気概を身に付け、卒業後も人生に果敢に取り組んでいく生徒を育成したいと考えています。

・輩出したい人材像
 本校の学校経営計画では、「育てたい生徒像」を以下の3点に集約しています。
ア 現状に満足せず、高い志をもち、自らの個性と能力を自ら開拓する生徒
イ 国際社会に生きる日本人として、幅広い教養と豊かな感性及び高い語学力を身に付けた生徒
ウ 自然科学など様々な場面・分野で活躍できるリーダーを目指す志の高い生徒


必要とされる日本語力

 本校の生徒は、中学3年生の英検準2級合格率95%、高校1年生の2級合格率70%という結果から、語学学習に高い意欲をもち努力していることが分かります。しかし、SSH(スーパーサイエンスハイスクール)指定校として、上記学年時に英語で研究論文を書く授業では、思考力・判断力・表現力を駆使した論文を書くことにやや苦戦しているようでした。このことから、語学力よりも、自分の考えを論理的に整理する力、相手に理解してもらえるようにまとめる力が重要であると感じました。
 また、これからの知識基盤社会において、生徒たちがリーダーシップを発揮していくためにはコミュニケーション能力が何よりも大切です。このコミュニケーション能力とは、他者と仲良くやっていくというものではなく、他者が述べていることを正確に把握すること、自分の考えや意見を的確に表現する能力のことを指します。この能力を身に付けることで、進路選択、就職、社会人としての成功にも繋がっていくと考えています。
 生徒たちが思考力・判断力・表現力を豊かにするため、それらの基礎を形成する「日本語力」を磨き、コミュニケーション社会の中でリーダーシップを発揮できるようになることが重要であると考えます。


「文章検」への取り組み

・位置づけ
 今年度本校では、「文章検」をキャリア教育の一環で「人間と社会」という教科の一部として、位置づけています。
 「人間と社会」は、「人間としての在り方・生き方」を学ぶ教科であり、年間を通して抽象度の高いテーマについて議論します。授業の様々な場面で行うディベートにおいて、独善的な意見では議論が成立しません。そこで、相手に論理的に自分の意見を説明する力を養うため、また、多面的で多角的なものの見方・考え方を養うためにも、「文章検」は最適の教材であると判断し、導入に至りました。

・具体的な取り組み
 私の学年では、4クラスの担任が各クラスで「文章検」の指導をしました。各担任の担当教科は、国語・英語・数学・体育と様々だったため、クラスによって指導に偏りが出ないよう、まず担任間で「生徒たちにとって論理的な思考力の獲得が大切である」、「生徒たちに身に付けてほしい力は、コミュニケーション能力である」という共通認識を明確化しました。
 指導にあたっては、こちらが求めるレベルの文章が書けるようになるまで、「文章検」の公式テキストの演習問題を何度も繰り返し解かせて添削しました。一定の訓練を重ね、文章の型を身に付けて初めて、自分なりの個性が発揮できるようになると考えています。


「文章検」実施の効果

 本校の生徒は「文章」を書くことには慣れていますが、「論理的な文章」を書けるわけではありませんでした。ところが、「文章検」受検に向けた学習をはじめてから、二つの大きな変化があったと感じています。
 一つ目の変化は、生徒の感想文が、自らの意見を構造的に表現するものになってきたことです。これまで校内で行われた進路講話の感想文を例にあげると、講師の先生がお話しになったことをそのまま受け入れ、それを繰り返すだけの内容賛美型が多くありました。「文章検」に関する指導の後は、「講師の先生はこのように話されていますが、私は少し考えが異なります。なぜなら…」というように、自分自身の考えを構造的に述べることができるようになりました。生徒の満足度の高い講話であっても、このように自分に落とし込みながら考えて意見を表明する力、いわば「健全な批判力」が身に付いたと言えます。これは構造化して物事を理解する能力が身に付いた結果であり、「文章検」のおかげであると感じています。
 二つ目の変化は、国語総合の授業において、評論文を論理的に作成できるようになったことです。二項対立型の評論を読むだけでなく、自ら評論文を作成させてみると、「文章検」の効果を感じるような論理的な作品がいくつも出てきました。
 生徒に関する変化は以上の二点ですが、さらに新しい発見がありました。それは、「文章検」のような新しいコンテンツを導入することによって、私たち教員の視点が、個から組織へと変わったということです。学校現場を客観的に見ると、どうしても教員の個々の能力に頼りがちな面が否めません。しかしながら、今回「文章検」を導入したことで、教科横断で主任教諭が教諭に指導上のアドバイスをするなど、組織としての教育活動へと転換が図れたと実感します。


メッセージ

・保護者の方へ
 あらゆる学力の基礎は、「論理的思考力」です。この論理的思考力は、さまざまな科目で養われています。しかし、自分が論理的に考えたことを言葉にし、相手に伝えるという訓練は、これまであまり注目されていませんでした。誰もがお子さんの学力を飛躍的に向上させたいと考えると思いますが、それにあたって、「文章検」の学習を通じて「論理的思考力」を養うことは有効な手段の一つだと思います。センター試験も数年後には新しい入試に替わり、このような力はますます求められます。

・生徒の皆さんへ
 みなさんには、文章の読解と作成の能力を高める効果は、単に「表現が上手になる」、「論理的に物事を考えられるようになる」ということだけではなく、「読書で得られるもの」が変わることを知ってもらいたいと考えています。本校には、生徒に読んでほしい本を教員が指定し、多読を薦める「小石川の100冊」という取り組みがあります。本を読むということは著者の追体験をすること、著者と会話することなどと言われますが、正確に読み取る力が身に付くほど知的欲求が高まり、探究活動へと繋がります。著者の記述を正確に理解し、自分自身の思考を巡らすというこの読書活動には、更なる促進剤として「文章検」が最適であると言えるでしょう。

・先生方へ
 「文章検」を導入すると二つの効果があるということを申し上げたいと思います。一つは、導入後に生徒の変化が大きく見て取れることです。もう一つは、生徒だけではなく、先生方にも意識変化が表れることです。一緒に指導に取り組んだ他教科の先生からは、「学級(学年)通信を書くときに、相手に分かりやすい文章を書くことを心がけるようになった」との言葉をいただきました。Learning by Teachingとは、まさにこのことでしょう。いかなる教科であれ、私たち指導者側が「文章検」の指導を通じて刺激を受け、指導力により磨きがかかることは間違いありません。是非、チャレンジされることをお勧めします。


※掲載内容(所属団体、役職名等)は取材時のものです。


学校紹介

東京都立小石川中等教育学校 <創立>1918年

 東京府立第五中学校として創立。1950年、東京都立小石川高等学校と改称。2006年、中等教育学校に改変され中高一貫化。2011年、文部科学省スーパーサイエンスハイスクール*に指定。アカデミックで自由な校風で知られ、創立時より理化学教育に重きを置いた教育を行っている。

*将来の国際的な科学技術関係人材を育成するため、先進的な理数教育を実施する高等学校を、文部科学省がSSH(スーパーサイエンスハイスクール)として指定する制度


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